徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 かぜの原因はほとんどがウィルスです。 かぜの多くは呼吸器系の症状を示します。呼吸器系は鼻腔や咽喉頭などの上気道と、気管から気管支、細気管支、肺胞に及ぶ下気道に分かれます。多くのかぜウィルスは上気道に感染を起こして鼻水、くしゃみ、咳などを呈しますが、中には下気道に感染して気管支炎や肺炎を起こすものもあります。

 かぜの原因ウィルスの中で最も多いのはライノウィルスですが、これ以外にエンテロウィルス、アデノウィルス、パラインフルエンザウィルス、RSウィルス、インフルエンザウィルスなどがあります。

 かぜの原因ウィルスは季節によって流行するウィルスが異なります。夏にはエンテロウィルスによるヘルパンギーナや手足口病、アデノウィルスによるプール熱が流行します。これらは夏かぜと呼ばれて発熱や発疹を主症状として、せきや鼻水などの呼吸器症状を示す普通のかぜとは区別されます。エンテロウィルスやアデノウィルスには多くの型があって、見られる症状も異なります。今年の夏は手足口病が多く見られ、ヘルパンギーナやプール熱は比較的少ない傾向にありました。

 秋になるとライノウィルスやRSウィルスが流行します。冬になるとインフルエンザがこれに続きます。これらのウィルスは呼吸器症状を示すかぜ症候群に含まれます。インフルエンザは高熱が出て症状も強く、合併症も問題になりますから一般のかぜとは区別して取り扱うとされています。RSウィルスも生後半年以内の乳児が罹ると細気管支炎を起こすことが多く取り扱いには注意が必要です。