国の原子力委員会が、日本の保有するプルトニウムの削減に向け、保有量が現行水準を超えないようにするなど、新たな指針を決定した。

 2021年度に完成する予定の青森県六ケ所村の再処理工場で製造するプルトニウムを、通常の原発で使用する量に限定するのが柱だ。

 具体的には、原発でプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマルの実施状況に応じ、必要な量だけプルトニウムを製造するよう国が認可する。

 海外に多くのプルトニウムを抱えている電力会社が、他社に譲渡して稼働原発で消費するなど、各電力に連携を促して削減に取り組むという。

 だが、その実効性には疑問を禁じ得ない。

 MOX燃料を使う高速増殖原型炉もんじゅが廃炉になった今、国内でプルトニウムを消費する方法は、通常の原発でMOX燃料を燃やすプルサーマルしかない。

 ところが、プルサーマルが認められているのは、建設中の電源開発大間原発を含めて10基だ。うち、原子力規制委員会の審査に合格し、再稼働できたのは4基だけである。

 東京電力福島第1原発事故の後、プルサーマルは国や電力会社の思うに任せない。

 プルサーマルを導入する場合には、立地自治体などの同意が必要だ。原発に世論の逆風が吹く中、おいそれと拡大できるものではあるまい。

 現在、国と電力会社が六ケ所村で建設を進めている再処理工場は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して、燃料として再利用する核燃料サイクルの中核施設だ。フル稼働すれば年8トンのプルトニウムが生産される。

 ただ、新指針の下で稼働を制限すれば、巨額の事業費を賄えなくなる恐れもある。

 具体的な保有量の上限や削減目標を示さなかったのも問題である。

 日本が保有するプルトニウムは17年末時点で前年から約0・4トン増えて約47・3トンに上る。核兵器6千発分にも相当する量だ。

 忘れてはならないのは、日本が余剰プルトニウムを持たないという国際公約により、再処理技術の商業利用が認められてきたことだ。その根拠となる日米原子力協定は30年の期限を満了し、7月17日に自動延長された。これによって、米国側の通告で一方的に終了できるようになった。

 米国は日本のプルトニウムの保有量に懸念を示しており、政府は真剣に削減に取り組まなければならない。

 資源小国の日本は、燃料として燃やした以上のプルトニウムを生み出す、もんじゅを核燃料サイクルを担う施設として開発してきた。

 しかし、福島第1原発事故後、その環境は一変した。原発の再稼働が難しくなり、トラブルが絶えなかったもんじゅは廃炉になった。

 プルトニウムを効果的に削減するためには、核燃料サイクル自体を見直すべきだ。