内需の両輪である企業の設備投資と個人消費がけん引したほか、賃上げ効果もあり、4~6月期の実質国内総生産(GDP)は市場予想を上回る成長率となった。

 前期比0・5%増、年率換算では1・9%増。プラスに転じたのは2四半期ぶりだ。

 景気は底堅さを見せた格好である。とはいえ、個人消費に大きく影響する天候要因に加え、激しくなる通商摩擦などの懸念材料が多く、楽観はできない。

 「通商問題の動向が世界経済に与える影響などに留意する必要がある」との茂木敏充経済財政担当相のコメントもうなずけよう。

 景気が拡大基調にある今のうちに、将来の懸念や不安の解消につながる政策対応が求められる。

 個人消費は前期比0・7%増となった。もっともこの数値は、1~3月期が大雪と寒波によって野菜が値上がりするなど、消費者心理が大きく冷え込んだことへの反動増の側面が強い。

 7月以降の猛暑で野菜は再び値上がりしている。酷暑が続けば外出を控える動きが広がり、景気は勢いを失う可能性もある。注意が必要だ。

 設備投資も1・3%増と堅調だった。2020年の東京五輪関連などの活発な需要や省力化のための機械導入の動きを背景に、伸びが加速したとみられる。

 設備投資や輸出は今後の拡大を見込む声も上がっている。だが、その成否の鍵を握っているのは米国だ。

 米中貿易戦争の懸念が増大しており、日本への余波は避けられそうにない。

 トランプ米政権が、鉄鋼やアルミニウムだけでなく実際に自動車の輸入制限に踏み切れば、世界経済に打撃となることは明らかだ。対イラン制裁の再発動に伴う原油高も大きな不安材料で、影響は計り知れない。

 日本経済はひとまず浮上したものの、先行きには不透明感が漂っている。

 共同通信社の主要企業を対象にしたアンケートでは、当面の景気の見通しについて82%の企業が「拡大」と回答した一方、東京五輪後も好景気が続くとしたのは18%にとどまった。

 企業業績の好調さを示すとともに、五輪の特需効果の反動による失速懸念が強いことを物語っている。

 景気の拡大基調がどこまで続くのか、多くの企業は不安を拭えないでいる。その最大の要因は、財政再建が一向に進んでいないことにあるのではないか。

 社会保障費などの歳出改革が不十分で、財政収支は思うように改善していない。

 19年10月には消費税率の10%への引き上げが予定されるが、その前には統一地方選や参院選を控えている。

 財政規律が緩む可能性も否定できず、そうなれば将来不安から消費が伸び悩むことになる。好景気を持続させるには、改革が急務である。