日本システム開発が手掛ける超小型変位センサー

京都大などが開発した東アジア最大の望遠鏡。中央部の円形の主鏡にセンサーが使われている=岡山県浅口市(同大提供)

 ソフトウエア開発の日本システム開発(徳島市)が手掛ける超小型変位センサーが、京都大が中心となって開発した東アジア最大の光学赤外線望遠鏡「せいめい」に採用された。天体の光を集める鏡の位置を補正するもので、望遠鏡は岡山県浅口市にある新設の岡山天文台に設置されており、試運転を重ねて11月ごろの本格稼働を目指す。
 

 センサーは縦2・2センチ、横3・6センチ、厚さ0・3センチ。特殊なガラス板の両面に金属箔(はく)とコイル、電子部品を配しており、別の金属を近づけたり離したりすると、発信される電磁エネルギー値が変動する仕組み。変動した値から金属とセンサーとの距離が分かる。望遠鏡には、天体が発する光を集める直径3・8メートルの主鏡に144個が取り付けられた。

 京大によると、望遠鏡は主鏡の直径が大きいほど高性能だが製造や運搬が難しくなるため、せいめいでは複数の鏡を並べる「分割鏡方式」を国内で初めて採用している。鏡は全部で18枚あり、観測する天体の方角に合わせて個々に動かす際、位置や傾きの誤差を数十ナノメートル(ナノは10億分の1)以下に抑えるよう、センサーで隣接する鏡同士の距離を測って位置の補正に役立てる。

 センサーは2001年に発売した。200分の1秒で約1ナノメートルの変位を測定でき、温度や湿度の変化がある環境でも誤差が小さい。小型軽量で、コピー機などの事務機器を中心に活用されており、採用する機械に応じて形状を変え、これまでに80万個を出荷した。

 高い性能が評価されて京都大から声が掛かり、10年からプロジェクトに参画。望遠鏡は15年度に開発され、天文台のドームへの設置や調整を経て今年7月に完成した。

 望遠鏡は「宇宙最大の謎」といわれる爆発現象の解明や、暗くて見えにくい太陽系外惑星の探査に貢献すると期待されている。同社電子機器事業部の竹花圭二部長は「壮大かつ夢のあるプロジェクトで、やりがいがある。自社技術のアピールにもなり、新たな市場開拓の起爆剤としたい」と話した。