献花台に花を手向けるNEXCO西日本と県警の関係者=鳴門市大津町大幸

 鳴門市の徳島自動車道で停車中のマイクロバスに大型トラックが追突し、富岡西高1年の森下汐音(しおん)さん=当時(15)=とバス運転手の岡本勉さん=当時(30)=の2人が死亡、14人が負傷した事故から25日で1年となるのを前に、森下さんの母、岡本さんの妻、バスを運行していた阿波中央バス(阿波市)が、書面でコメントを出した。森下さんの母は「前に進むことで汐音を置き去りにしてしまうように感じ、どうすればよいのか分からない」などと、気持ちの整理がつかない思いをつづった。それぞれのコメント全文は次の通り。

森下汐音さん母

 あの事故から今日まで、ずっと振り返ってきました。1年前のこの時期には汐音がいた、一緒にあんなことをした、こんなことを話したなどと思い出し、時には汐音を身近に感じたり、どうしていなくなったのかと考えたり、という日々でした。そして、今後は1年前を振り返ってもそこには汐音はいないと思うと、汐音が遠ざかっていくという何ともいえない寂しい気持ちになります。

 私にも、他の家族や仕事など、現実の生活があり、このままとどまっているわけにはいかないと分かっていますが、私が前へ進むことで汐音を置き去りにしてしまうように感じ、どうすればよいのか分からない気持ちになることがあります。また、この間、私だけでなく、汐音の周りに今なおあの事故が心の傷になっている人もいることを知りました。

 今も気持ちの整理はできないままですが、とにかく事故はなくなってほしい。それは心から思います。

 事故から1年がたとうとしているこの時期、複数の報道機関の方々にわざわざ自宅にまで足を運んでいただいていますが、まだまだ直接お話しできる状態になっていません。できればそっとしておいていただきたく、お願いいたします。

岡本運転手の妻 主人の思いを背負い生きる

 1年たった今でも、あの時のことを思い出さない日は1日もありません。残された子供と二人で、主人の思いを背負って精一杯生きていきたいと思います。

阿波中央バス  被害者の方にお詫びしたい

 バスにご乗車されていた当社の大切なお客様やご家族の皆様の人生を大きく変えてしまったことを思うと、ただただお詫(わ)びの気持ちしかありません。亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

警察官ら犠牲者悼む

 鳴門市の徳島道で起きたバス事故から1年を迎えるのを前に、現場近くに24日、献花台が設けられ、関係者らが犠牲者を追悼した。

 NEXCO西日本徳島高速道路事務所の職員3人が、事故現場下の側道上に白い布をかぶせた長机を設置した。高速隊など県警の関連部署の警察官らと一緒に花を手向け、黙とうした。献花台の設置は31日まで。

 同事務所の中筋広伸総務課長は「このような事故が二度と起こらないよう、安全走行のための啓発に努めていきたい」と話した。