サッカーJ2の徳島ヴォルティスが正念場を迎えている。今季42節のうち30節を終えて22チーム中8位。序盤を除き、一時は17位まで順位を落としたが、盛り返した。

 残り12節である。J1昇格争いができる6位以内に何とか食い込んでほしい。

 この夏は徳島のファンを心配させるニュースが続いた。8月にDF大本祐槻、MF島屋八徳の両選手がJ1チームに移籍。6、7月にはDF大﨑玲央、FW山﨑凌吾の両選手も移籍しており、短期間で4人が抜けたことになる。

 どの選手も攻守に欠かせない主力だった。現状は今季当初と別のチームと言えるほど、顔触れが変わった。

 Jリーグはシーズン途中に移籍できる期間があり、引き抜きは活発だ。順位が振るわないチームはいい選手を獲得して終盤の追い込みに備える。J2の選手がJ1のチームに声を掛けられれば、固辞するケースは少ないだろう。J2の宿命でもある。

 前向きに捉えれば、これまで出番が少なかった選手にとっては、レギュラー獲得のチャンスとなる。残った選手とスタッフ全員で終盤の試練を乗り切らなければならない。

 今回の大量移籍にロドリゲス監督は「まさか4人もいなくなるとは」と話し、目標達成の難易度が高くなったことを認めている。

 ロドリゲス監督が言う目標とはJ1昇格。達成するために選手を鍛え、攻撃的なサッカーをつくりあげてきた。

 引いて守るのではなく、前線から積極的にボールを奪いにいくのが特徴で、ボールを持つとパスでつないで相手守備をかき乱す。選手に求められるのは走り続ける体力と頭脳的な連係だ。徳島の強みはここにあり、選手が引き抜かれる大きな理由とも言える。

 簡単ではない分、チームとして形にするには時間がかかる。得点源の選手が抜けてスタートした今季の序盤10試合は、3勝2分け5敗と出遅れた。だが、徐々に攻守がかみ合い、勝ち星が増えた。直近の10試合は7勝1分け2敗と大きく勝ち越している。

 好調の背景には決定力のある外国人選手の加入がある。

 チームは、移籍が相次いだ時期に元ナイジェリア代表のFWウタカ選手とスペイン人FWのバラル選手を獲得した。2人とも30歳を超えているが、ゴール前でのパフォーマンスは健在。18日の山形戦ではバラル選手が4得点で勝利に貢献した。

 4選手のJ1移籍による影響は最小限にとどまっており、ファンは安心したことだろう。当面は外国人選手と若手選手の力を引き出しながら戦うほかない。

 残り12試合は、3~6位によるプレーオフ進出を懸けた戦いが激しくなる。昨季は最終戦に敗れて進出を逃しているだけに、選手は意地を見せたい。

 選手を奮い立たせるのは県民だ。スタジアムへ足を運び、声援を送ろう。