那賀町は、豪雨や地震などの大規模災害で町内の道路が寸断され集落が孤立した場合に備えて、各集落の3D地図を作り、小型無人機ドローンで救援物資を運ぶ実験を、県内自治体で初めて本年度中に行う。町は「最新技術を使い、住民の命を守る方法を増やしていきたい」としている。

 7月の西日本豪雨では上那賀地区の4世帯が孤立するなど、町内には土砂災害が起きる危険性の高い箇所が多く、孤立集落への対応策が急がれていた。

 近年の異常気象で、記録的な豪雨に見舞われるケースが頻発しているほか、南海トラフ巨大地震の発生も懸念されることから、町はドローンを使った物資輸送の有効性を検証することにした。

 通常の平面的な地図では、電線や樹木といった「障害物」が詳細に把握できず、ドローンが接触して墜落する恐れがある。このため、さまざまな障害物が立体的に分かる3D地図を作成する。本年度はモデル地区として集落1カ所を作る。場所は検討中。

 3D地図が完成すれば、ドローンに飛行ルートをプログラミングし、自動運行させる実験を実施。実用性があると判断できれば、3D地図作成の対象地域を広げていく。

 国からドローンを使った荷物配送の実験地域に選ばれている福島県南相馬市など5カ所でも、3D地図を使った自動輸送の実験は行われておらず、全国的に珍しい取り組みといえそうだ。

 町は、4日開会する町議会9月会議に地図作成費など375万円を計上した2018年度一般会計補正予算案を提出する。