欧州の農業大学でキノコの生産現場を視察する高野キノコプラントの高野社長(右)(同社提供、場所は非公表)

 キノコの種菌製造販売を手掛ける「高野キノコプラント」(徳島市)が、欧州への事業拡大に向けて準備を進めている。今月から欧州で初めてドイツへ、シイタケの定期出荷を始める予定。将来的には菌床生産から栽培までを現地で行う構想もあり、近く自社施設で欧州の資材を使った栽培試験に着手する。
 
 ドイツ・フランクフルトにある日本人経営の鉄板焼き店に今月中旬から、自社で開発した大ぶりで肉厚なシイタケの新品種「天恵菇(てんけいこ)」を毎週10キロ出荷する。欧州には輸送試験や商談用サンプルとして出荷したことはあるが、定期的に輸出するのは初めてで、米国に続いて2カ国目。

 欧州では、シイタケやヒラタケなどの菌床製造から栽培までを行い、販売する戦略を描いている。現地企業との共同生産や委託生産などあらゆる方法を視野に入れており、まずは欧州で使われている資材が日本の生産方式と適合するかどうかを試験する。成果を踏まえて現地の生産者らと交渉を行い、方向性を固める考え。

 高野康弘社長は7月中旬、欧州の農業大学や生産農家、種菌製造会社を訪問し、利用資材や管理体制などを視察した。レストランを数軒回って販路開拓にも取り組んだ。

 同社は国内需要が伸び悩む中、海外市場に注目。特に、欧州は温度や湿度などがキノコの生育に適していると考え、進出の候補地として選んだ。

 今後、天恵菇を含むキノコの輸出先を5~10社程度開拓し、輸出量は本年度で200キロ前後、3年以内に1トンを目指す。現地栽培が実現すれば、生産量は輸出量の数十倍になると見込む。現地企業と種菌の共同研究・開発も模索する。