国民民主党の新代表に玉木雄一郎共同代表が選出された。5月の結党以来初めてとなる代表選で、津村啓介元内閣府政務官に大差を付けた。

 玉木氏は旧希望の党代表を経て、5月の国民民主結党時に共同代表に就き、党をけん引してきた。今後は党の顔として一人で重責を担うことになる。

 喫緊の課題は、党勢の立て直しだ。報道各社の世論調査による政党支持率では、同党は1%前後と低迷している。

 結党からまだ4カ月で、国政選挙も経ていない。やむを得ない面もあるが、野党第2党としての存在感が薄かったことも事実だ。

 具体性のある大胆な政策が打ち出せるか。さらに、来年夏の参院選に向け、野党共闘をどう進めるか。玉木氏の力量が問われる。

 2週間に及ぶ選挙戦で両氏は、独自色をみせながら幅広く論戦を繰り広げた。十分とは言えないまでも、国民の関心を呼んだ提言もあった。

 「コドモノミクス」と銘打った玉木氏の少子化対策は、その一つではないか。

 第3子を出産した家庭に現金1千万円を給付する。必要となる約1兆6千億円の財源は、消費税率10%引き上げ時の税収や「子ども国債」を充てるという。

 玉木氏は「奇抜な政策も、どんどん打ち出したい」と力を込める。ただ、話題性だけでは無責任のそしりを免れず国民の信頼は得られない。現実味を持たせ、党の公約として示すことが必要だ。

 一方で、憲法改正や消費増税などの基本政策では両氏にあまり違いは見られず、物足りなかった。中でも、安全保障関連法についてほとんど触れられなかったのはどうしたことか。

 安保法についての国民民主の基本政策は「違憲と指摘される部分の白紙撤回を含め、必要な見直しを行う」というものだ。

 立憲民主などは同法の廃止を求めている。選挙戦で踏み込んだ発言をすれば今後の選挙協力が難しくなる、との計算が働いたとすれば残念だ。

 玉木氏は共同代表として、「対決より解決」を掲げ、立民が主導する国会での抵抗戦術とは一線を画してきた。

 この路線により、先の通常国会では立民などとの溝が深まり、野党の足並みを乱したとの批判が出た。

 その反省からか、代表選の出馬会見などで「安倍政権との対決姿勢を強めていく」「選挙と国会はできる限り一枚岩でやる」などと語った。

 「1強」の安倍政権と対峙するには、野党の結束が不可欠だ。玉木氏には野党共闘の「本気度」も試されよう。

 党内融和も重要な課題だ。代表選の告示日には柚木道義衆院議員が離党届を提出し、除名になった。追随する動きがあれば党勢の拡大どころか分裂につながりかねない。

 党内の閉塞感を打破できるかどうかは、玉木氏のリーダーシップに懸かっている。