地面に落ちたナシ=鳴門市大津町大代(山形社長提供)

 台風21号による暴風雨の影響で、徳島県内の農産物が大きな打撃を受けた。ナシ、ケイトウなど、これから出荷シーズンを迎える作物が落果したり折れたりし、農家は悲鳴を上げている。

 鳴門市大津町大代の農園フルーツガーデンやまがたでは、10日の収穫を控えたナシの品種「新高」1500個ほどが強風で落果した。全体の2割に当たり、山形文吾社長(41)らが早朝から拾う作業に追われた。傷みの少ない実を選別し、直売所で通常の3分の1の価格で販売した。山形社長は「風が強すぎた。これほどの被害は初めてで悲しい」とため息をつく。

 西日本有数のケイトウの生産地・那賀町相生地区では茎が折れたり曲がったりした。彼岸に合わせて出荷する予定だった60万本のうち、3割程度が売り物にならなくなった。JAアグリあなんは被害額を375万~450万円とみている。

 同町延野の中村道浩さん(38)方では、約200本が出荷できなくなった。中村さんは「風対策をしていたのだが、それでも生育途中のものが曲がってしまった」と声を沈ませる。

 勝浦町ではミカンの倒木や枝折れ、落果が相次いだ。町によると主要産地の与川内、坂本両地区を中心に被害面積は20ヘクタール。被害額は1千万円に上るという。

 阿波、吉野川両市ではナスの実が傷つくなどの被害が目立った。

 県によると、8月に襲来した台風20号による県内の農作物被害額は1510万円だった。県農林水産政策課は「今回は風が強く、水稲への影響も危惧される。被害額は前回を大きく上回るだろう」とみている。

 

県内学校施設 7市8町で被害確認

 県内の学校でも5日、施設の被害が明らかになり、少なくとも7市8町で校舎や倉庫の破損などが確認された。4日は全校が臨時休校・休業だったため児童生徒にけがはなかった。

 被害が多かったのは台風が上陸した県南部で、中でも阿南市で目立つ。富岡西高では高さ約20メートルのヒマラヤスギが倒れ、教諭の乗用車のガラスを割った。平島小では門柱と木が倒れ、阿南第二中でも玄関の樹木が倒れた。見能林小や富岡幼、見能林幼などでは倉庫や物置が破損・転倒し、富岡小や那賀川中、椿町中などでは給食室や玄関の窓ガラスが割れた。

 このほか、徳島商業高(徳島市)で校内の木が倒れて隣接する民家の壁を破損。那賀町の木頭学園では百葉箱が飛び、吉野川市の川島小ではフェンスが折れ曲がった。

 県教委によると、高校・特別支援学校の計28校で雨漏りが見つかり、6校でガラスが破損した。市町村教委からは、学校活動が滞るほどの事例は報告されていない。

 

 

競技施設損壊レース中止に【ボートレース鳴門】

 ボートレース鳴門(鳴門市撫養町大桑島)は5日、台風21号の強風で競技施設の一部が壊れたため、6~11日に予定していたレース「ビーナスシリーズ第7戦」の中止を決めた。1節の全日程を取りやめるのは2016年4月のリニューアル後初めて。

 壊れたのは水上のボート発着場「ピット」。強風にあおられ、支柱が折れ曲がったり床板がねじれたりした。ボートの昇降機もフレームがゆがんで作動しなくなった。

 市企業局はレース開始日を5日から6日に順延して修繕に当たったが、早期復旧は困難と判断した。

 市企業局は「ファンや関係者に迷惑をかけ申し訳ない。9月22日からのモーニングレースに間に合うよう復旧を急ぐ」としている。