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3月10日付 普天間移設 「県内」では民意に反する
政府、与党の沖縄基地問題検討委員会が開かれ、社民、国民新両党から移設候補地案が出された。今月中に政府案を取りまとめ、米側や沖縄県との協議を加速させるという。 移設候補地については、社民党こそ米領グアムやテニアンへの国外移設案を示したが、国民新党は米軍嘉手納基地への統合と、名護市の米軍キャンプ・シュワブ陸上部への県内移設案だった。 鳩山由紀夫首相サイドも、シュワブ陸上部にヘリコプター離着陸帯と滑走路を造る案や、米軍ホワイトビーチと沖合の津堅島までの間を埋め立てる県内移設案を軸に検討する考えを米側に非公式に伝えている。 現行のシュワブ沿岸部への移設案は否定しておきながら、またしても沖縄県内移設案を検討しているというのでは首をかしげざるを得ない。 鳩山由紀夫首相は「今日までゼロベースでやってきた」と言うが、県外や国外への移転を真剣に模索したふしがみられない。 これまで、どんな調査や議論をしてきたのか。政府、与党からは十分な説明もないままだ。沖縄の基地を県内で“たらい回し”することだけは避けてもらいたい。 鳩山首相は昨夏の衆院選で「県外・国外移設」を主張し、政権交代を果たした。その背景には、沖縄の基地負担軽減という訴えが国民に支持されたこともあっただろう。にもかかわらず、移転先が沖縄県内というのでは、県民はもちろん、国民の納得も得られないだろう。 シュワブ陸上案は、現行案に比べると、県知事の海面埋め立て許可が不要で、環境破壊の心配がないうえ、米軍基地内で反対運動の影響も受けにくいという。しかし、ヘリなどの滑走路が住宅地に近くなるため、騒音や事故の危険性が高まる。 「普天間移設の目的が住宅密集地の危険性除去なのに、陸上案では現行案より住宅地に近接し、普天間の騒音や危険性をそのまま名護市に移すだけだ」。同市議会が8日、陸上案に反対する意見書を全会一致で可決したのも当然だ。 沖縄県の仲井真弘多知事は陸上案を「無理筋」と呼び、不快感を隠さない。沖縄県議会も先月、県内移設反対の決議をしている。政府はそうした県民の声をしっかりと受け止めるべきである。 米国も「現行案が最善」との姿勢を崩していない。海兵隊が有事に迅速に対応するためには、沖縄の陸上部隊とヘリ部隊が一体であることが欠かせないという理由からだ。 首相は名護市の反対決議を受け、移設先決定は地元の合意が前提との方針を明言した。きのうは「米側と沖縄県民にも理解が得られる案につくり上げていく」と述べた。 どのような移設案なら、沖縄県民や米側の了解が得られると考えているのか、これでは分からない。 5月末までの決着期限まで3カ月足らずと残り時間は少ないが、県外・国外移設に向けて一層の努力をしてほしい。 政府案の絞り込みに当たっては、議論の過程もできるだけオープンにしてもらいたい。
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