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社説
2月23日付  がれき広域処理  国は安全確保策を示せ  
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 東日本大震災で生じたがれきの処理に、被災地が苦慮している。

 環境省によると、岩手、宮城両県の震災がれきは2千万トンを超える途方もない量だ。しかし、埋め立てや再利用などの最終処分が済んでいるのは、全体の5%程度に過ぎない。

 両県は、仮設の焼却炉を建設するなどして懸命にがれきの処理を進めようとしている。とはいえ、被災地だけで処理しきれる量ではないだろう。

 東北の人たちは、膨大な量のがれきを前に無力感を味わっている。残念なことだが、これが震災から間もなく1年を迎えようとしている被災地の実態である。

 震災からの復興を加速させるには、岩手県で11年分、宮城県で19年分とされるがれきの処理は待ったなしだ。全国の自治体が支援の手を差し伸べ、安全ながれきを受け入れる広域処理の体制を整えたい。

 政府は、2014年3月末までに全てのがれきを最終処分する方針を打ち出している。だが、震災直後は42都道府県の572市町村に上っていた受け入れ意向が、半年後の調査では54に激減した。放射性物質に対する住民の不安感が根強く、理解が得られないためだ。

 福島第1原発事故が起きた福島県内のがれきは、県境を越えた広域処理の対象になっていない。それでも受け入れを表明した自治体では、放射性物質の拡散を懸念する市民団体などが反発し、議会などの同意取り付けに時間を要するケースが相次いでいる。

 震災がれきの受け入れで被災地を支援したい自治体と、放射性物質による健康被害や農産物への風評被害を心配する住民との協議もはかどらず、事態打開の糸口は全く見いだせていない。このままでは、がれき処理をめぐる政府目標の達成も、東北地方の早期復興も厳しいと言わざるを得ない。

 膠着(こうちゃく)状態を打開するには、被災地から受け入れるがれきが安全であることを丁寧に説明し、粘り強く理解を求めていくしかないだろう。放射性物質の濃度測定などを徹底して行い、結果を住民にしっかりと開示していく姿勢が欠かせない。

 静岡県島田市は、岩手県から持ち込んだがれきを試験焼却し、測定結果とともに焼却灰も公開した。住民の不安や疑問に応えつつ、広域処理を進めようとする事例であり、今後の成り行きを注視したい。

 今年に入り、がれきの受け入れに前向きな姿勢を示す自治体が増えてきた。がれきの広域処理を唯一実現している東京都を含め、そうした自治体に共通するのは知事や市町村長の強いリーダーシップだ。

 被災地の一日も早い復興を願うなら、政府は自治体任せの姿勢を改めなければならない。がれきの受け入れに際し、どのような基準と方法で安全を確保していくのか、政府自らが具体的に説明する必要がある。

 国として広域処理を進める姿勢を示すため、新たな特別措置法の制定を求める声も上がっている。それが被災地の早期復興を後押しするのであれば真剣に検討すべきだ。

 問題のないがれきの処理に手間取り、被災地を置き去りにするようなことがあってはならない。

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