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10月14日付 広島・長崎五輪招致 核廃絶へ国も支援を
今年4月のプラハ演説で「核なき世界」を提唱したオバマ米大統領がノーベル平和賞に決まった直後でもあり、絶妙のタイミングでの意向表明になった。 核廃絶を訴える被爆都市が招致に名乗りを上げれば、注目を集めるのは間違いない。国もしっかりと支援する必要がある。 世界にはヒロシマ、ナガサキの名前は知っていても、被爆の実態がどれだけ悲惨なものか知らない人は多い。実現すれば、世界中から集まる選手や観客にその実情を見てもらえる絶好の機会となるだろう。 秋葉忠利広島市長と田上富久長崎市長は記者会見で、招致検討委員会を早急に立ち上げて開催の可能性を探り、来年春までに立候補できるかどうか最終的な結論を出すとした。どのような方向性が示されるのか注目したい。 五輪招致をめぐっては、16年の五輪開催を目指した東京が落選したばかりである。最後まで「なぜ東京なのか」という理念を打ち出せなかったことが敗因とみられている。 広島と長崎の場合は、平和の祭典である五輪を通じて「核廃絶と世界平和の実現」をアピールするという強いメッセージ性がある。開催意義は申し分のないものだ。国民の支持も東京開催より、はるかに得られやすいだろう。 秋葉市長が会長を務め、国内外の約3100都市が加盟する平和市長会議は、20年を「核廃絶の年」と位置付けている。目標達成に向けた活動を五輪招致とともに進められれば相乗効果も期待できる。 だが、「夢」の実現に向けたハードルは高い。最大の課題は複数の都市による共同開催が可能かどうかという点だ。五輪憲章は1都市での開催を定めており、共同開催は過去にも例がない。国際オリンピック委員会(IOC)は、競技会場を狭い範囲に配置するコンパクトな計画を求めている。 それでもIOC幹部は、広島か長崎のどちらかが主催し、一部競技を分散開催する形なら容認することを示唆した。「(核廃絶では)政治色が強くなり過ぎる」と懸念する声についても、アピールの仕方次第との見方を示している。 地方の中核都市でも開催できるという運営ビジョンが提示できれば、商業主義が支配的になったと指摘される五輪に新たな展望も開けるに違いない。 ただ、五輪開催には巨額の経費が掛かる。東京は招致活動だけで約150億円を要した。 財政事情の厳しい地方都市がそうした費用を捻出(ねんしゅつ)し、IOCが求める高いレベルで競技会場や宿泊施設、交通インフラなどを整備できるのかどうか。広島や長崎の市民からも、歓迎と同時に先行きを懸念する声が出ているようだ。 JOCは来年夏ごろにも国内候補地を絞り込む見通しだ。広島と長崎に残された時間は多くない。実現に向けて全力で取り組んでほしい。
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