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社説
10月17日付  概算要求  「過去最大」は期待外れだ  
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 鳩山政権で初めてとなる2010年度予算編成に向け、各省庁が概算要求を再提出した。

 一般会計の要求総額は95兆380億円で、09年度当初予算(88兆5480億円)を大幅に上回り、過去最大に膨らんだ。

 子ども手当の創設などマニフェスト(政権公約)に掲げた新規施策を優先的に盛り込み、麻生政権時代に組まれた既存予算の削減が思ったほど進まなかったためだ。

 政府が先月決めた予算編成の基本方針では、旧政権下の8月末に提出されていた要求額を白紙に戻し、各閣僚に09年度当初予算を下回る減額要求を提出するよう求めていた。

 独自色を出すためとはいえ、民主党が強く主張してきた政治主導による「無駄削減と予算組み替え」が十分に行われたとは言い難い。

 新規施策の財源確保のために行った09年度補正予算の見直しでは、2兆9259億円分の事業停止を閣議決定した。目標の3兆円はほぼ確保されたが、国の09年度税収は想定していた46兆円から40兆円を割り込みそうで、財源の手当に不安が残る。

 鳩山由紀夫首相はきのうの閣議で、今後の査定作業について「優先度の低い既存の予算を削減する」よう指示した。

 行政刷新会議を中心に、どう無駄をなくし、予算執行の効率化を進められるか。政府の力量が試される。

 要求額を減らした省庁は、国土交通省や内閣官房・内閣府、外務省など5省にとどまった。

 国交省は公共事業費の14%削減などで要求額が09年度当初予算比2・7%減の6兆2780億円、内閣府は2・0%減の8638億円など。

 増額したのは残り7省庁。最も多かったのは厚生労働省で、子ども手当や年金記録対策費など14・8%増の28兆8893億円。文部科学省は公立高校授業料無料化などで9%増の5兆7561億円となった。

 厚労省の母子加算復活など11項目は金額を定めない「事項要求」としたため、総額はさらに増加する恐れがある。

 省庁間で増減のばらつきが生じたのは、予算編成の基準がいまひとつ明確でなかったためだ。

 全体像を示すべき国家戦略室が予算の大枠を明確に定めず、中長期の財政健全化目標の策定も当面棚上げしたことが影響している。財政規律を守るうえで早急に目標を設定する必要がある。

 各閣僚が不要不急の事業の査定より、新規政策の盛り込みを競い合ったことも要求額の拡大につながった。閣僚には財政健全化への責任を強く求めたい。このままでは予算編成の新たな仕組みが初年度からつまずく懸念がある。

 今後の予算編成過程では、歳入不足を補うため、赤字国債を大量発行する公算も大きくなっている。

 鳩山首相は赤字国債増発もやむを得ないとの認識を示す一方、国債増発を避けるため、国民の理解が得られれば、公約の実施を一部断念する考えも明らかにした。

 公約実現と財政規律のバランスをどう取るか、首相には厳しい判断が求められる。

徳島新聞社