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社説
10月21日付  西川社長辞任表明  郵政事業の見直しを急げ  
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 日本郵政の西川善文社長が辞任を表明した。政府が郵政民営化見直しの基本方針を閣議決定したのを受けたものだ。

 西川社長は記者会見で、辞任の理由について「見直しの基本方針は、私が郵政民営化のためにこれまでやってきたこと、やろうとすることとの間に大きな隔たりがあるものだった。もはや現在の職にとどまることはできない」と述べた。

 これにより、2005年の衆院選で最大の争点となり、小泉改革の目玉だった郵政民営化は、大きな転機を迎えることになった。

 西川社長の進退については、鳩山由紀夫首相が衆院選の前から辞任を求める考えを示していた。

 宿泊保養施設「かんぽの宿」一括売却問題や、障害者団体向け低料郵便制度の不正利用事件などで強い批判を浴びており、辞任表明は当然だろう。

 閣議決定された郵政見直しの基本方針は、郵便事業と金融サービスを全国一律に提供することを法律で義務付けるなどとしている。

 これまで進められてきた民営化に対しては、サービスより経済効率を重視するあまり、過疎地の郵便局で集配業務が廃止されるなど、以前よりも不便になったとの批判が住民の間から出ていた。こうした点が解消され、利便性が高まるようになるのは歓迎できる。

 基本方針には、持ち株会社である日本郵政の傘下に郵便局会社、郵便事業会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を置く「4分社化」の体制を見直し、郵便と金融の事業を一体的に運営できるようにすることも盛り込まれた。

 会社が分けられたことで郵便の配達員が金融業務にかかわれなくなり、交通手段を持っていない山間部の高齢者らが不便を強いられるようになった。これを見直し、柔軟な対応が取れるようにする狙いだ。

 郵便局網を「格差是正の拠点」と位置付け、さまざまな行政サービスを一カ所で受けられる「ワンストップ型の行政拠点」として活用するとした点も目を引く。

 郵便局は、民間の金融機関や店舗が少なく、役場から遠い過疎地にも配置されている。うまく活用すれば、地域の福祉や文化、交流などの拠点となるだろう。その利点を十分に生かせる仕組みをつくってもらいたい。

 課題は、不採算地域の郵便局を維持していくために、郵便局会社と郵便事業会社の収益基盤を強化することだ。

 郵便事業の収益性を高めるためにはどうすればいいのか。郵便と金融事業の「一体的運営」には、どんな体制が望ましいのか。

 政府は、4分社体制見直し後の新たな経営形態について、早急に検討を進め、結論を出さなければならない。

 西川社長の後任には、公益事業のトップや元トップ、財界人、若手経営者らが候補に上っているという。

 郵政の仕事は、国民にとってなくてはならない公益的な事業である。後任の社長には、優れた経営手腕とともに高い倫理観を求めたい。

徳島新聞社