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社説
10月24日付  緊急雇用対策  迅速な実行が必要だ  
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 今年は「年越し派遣村」が必要になるような事態は避けたいものだ。政府が年末年始の雇用情勢の悪化に備え、派遣切りなどによる失業者や来春卒業予定の大学生、高校生への支援を優先した緊急雇用対策をまとめた。

 職探しや生活支援の窓口を一本化するワンストップサービスの実施、介護施設で働きながら無料で資格が取得できる制度の導入などを打ち出した。

 新たな雇用創出策を協議するため鳩山由紀夫首相の下に労働界や産業界代表らが参加する「雇用戦略対話(仮称)」の新設や、自治体や民間非営利団体(NPO)なども加わり地域の実情に合った対策を進める「地域雇用戦略会議(仮称)」の設置も決めた。

 景気は持ち直しつつあるとはいえ、雇用の悪化は続いている。8月の完全失業率は5・5%と戦後最悪の水準になっている。12月までに職を失う非正規労働者は約23万9千人に上る見通しだ。

 今回まとめた施策を迅速に実行に移していかなければならない。

 ワンストップサービスは、ハローワークの窓口で職業紹介だけでなく、生活費の融資や生活保護の手続き、住まいの相談などができるように態勢を強化するものだ。

 11月下旬から東京や大阪などの大都市で試験実施される。地方でも早急に行ってほしい。

 新卒者への支援ではハローワークに専門相談員を緊急配備。採用意欲が強い中小企業を掘り起こし、「雇用創出企業」として年明けに公表するとしている。

 急ごしらえの感が否めず、どれだけ内定に結びつくのか不透明だ。今は第2の就職氷河期との指摘もある。企業や経済団体に積極的な雇用を促してもらいたい。

 中長期的な雇用創出策としては、介護、農林業、環境、観光分野を雇用増加が見込める成長産業と位置付け、重点的に受け皿作りを進める緊急雇用創造プログラムの策定を盛り込んでいる。

 公共事業の削減などで建設業労働者の失業が増えることを想定したものだ。

 働きながら介護福祉士やヘルパー2級などの資格取得ができるように後押しすることなどが狙いだが、運用などで具体性に欠ける。

 介護や農林業の分野で働く人は低賃金や長時間労働など厳しい環境に置かれている。新たな就労を呼び掛けていくのであれば、こうした分野での労働環境の改善策も併せて示す必要がある。

 政府挙げて雇用確保に取り組むとしながら、緊急対策で新たな予算措置が講じられていないことにも物足りなさを感じる。一連の対策で来年3月末までに約10万人の雇用の創出や下支え効果があるとするが、せっかくの対策が掛け声倒れにならないか危惧(きぐ)される。

 鳩山首相はきのう開かれた緊急雇用対策本部で、今後の雇用情勢次第では本年度第2次補正予算を組み、新たな雇用対策を盛り込む考えを表明した。

 経済を活性化させ、雇用を安定させる抜本策を打ち出す必要がある。

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