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社説
10月26日付  事業仕分け  国民目線で鋭く切り込め  
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 過去最大規模の95兆円にまで膨らんだ2010年度政府予算の概算要求を、どこまで絞り込めるか。歳出の無駄を洗い出すため、事業の要不要を判断する行政刷新会議の「事業仕分け」が始まった。

 生活を第一に考えた政策を進めるための財源を、無駄排除によってひねり出すというのが鳩山政権の大原則だ。国民の多くも、その実行に期待している。

 国民にとって真に必要な事業は何なのか。そこに予算を重点配分することを念頭に、鋭く切り込んでもらいたい。

 国の財政は危機的状況にある。景気低迷で税収見通しも厳しく、大なたを振るわなければ、財政が持たないのは言うまでもない。

 「事業仕分け」は事業を一つずつ取り上げ、そもそも必要なのか、必要だとしても民間でできないのか、事業規模は適切かといった点について公開の場で議論し、分類していく仕組みだ。

 行政刷新会議の事務局長になった加藤秀樹氏が代表を務める政策シンクタンクが開発したもので、「仕分け人」と呼ばれる外部評価者を全国各地の自治体に派遣し、成果を挙げているという。

 鳩山政権は、予算の無駄排除の切り札としてこれを導入。「仕分け人」となる政治家の実動部隊に、無駄な要求の「手口」を熟知した官僚出身の議員らを配し、厳しく精査していく構えだ。

 ただ、課題も少なくなく、まずはどの事業を仕分けの対象にするかが焦点となる。

 実動部隊は、概算要求に盛り込まれた3000事業から240程度を抽出する方針という。そのため、財務省の担当者から予算査定のノウハウを聞いたり、仕分け対象事業の候補リストの提示を受けたりしているが、これでは仕分けが財務省主導で進む恐れがある。

 「脱官僚・政治主導」が鳩山政権の金看板だ。財務省にない新たな視点から仕分けするためにも、政治主導での事業選定を貫く必要がある。

 これまでに実施された自治体の「事業仕分け」では、約1割の予算を削減できた事例もあるという。

 しかし、国の事業の中止には組織や制度の改廃が複雑に絡んでくる。来月中に結論をまとめることにしているが、短期間でどれだけの削減が図られるかは未知数だ。

 そもそも概算要求は、各閣僚が「査定大臣」となって削り込んだものである。その分、前政権が組んだ補正予算の削減とは違い、歳出見直しには各省庁の抵抗がより強いかもしれない。「仕分け人」の力量が問われるだろう。

 実動部隊は特別会計も仕分け対象とする方針だ。各省庁所管の特別会計や公益法人向け支出は無駄が多いと指摘されている。しっかりとメスを入れてほしい。

 限りのある税金をどこに振り向け、何を我慢してもらうか。そうしたことを「国民目線」から徹底的に議論する意義は大きい。

 行政刷新会議は政権交代によって生まれた看板組織である。背負った課題は重いが、国民のためにぜひ成果を挙げてもらいたい。

徳島新聞社