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社説
10月28日付  小島章司さん  おめでとう文化功労者  
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 牟岐町出身のフラメンコ舞踊家・小島章司さんが(70)が本年度の文化功労者に選ばれた。

 フラメンコ界からの受章は初めてだ。徳島県人では、1967年の元京都大学総長・鳥養利三郎さん、88年の舞踊家・武原はんさん、97年の作家・瀬戸内寂聴さんに次いで4人目である。心からお祝いを申し上げたい。

 小島さんは、長年にわたりフラメンコの第一線で活躍。優れた演技を見せるとともに、日本的な感性を生かした創作作品を次々と発表し、舞踊界に独自の領域を開拓したことなどが評価された。

 小島さんは「感性をはぐくんでくれた牟岐町やスペインの大地、森羅万象すべての人、モノに感謝したい」と喜びを語った。

 受章は県民にとっても大きな誇りである。小島さんの一層の活躍を期待したい。

 日本人の感性によるフラメンコの創造が、小島さんの特色である。

 装飾性を排し、内面的な世界に沈潜した作品など、精神的にも技法的にも深く掘り下げられた舞踊は、世界の舞踊界でも際立った存在となっている。

 こうしたフラメンコと日本文化の融合が高く評価され、1987年に芸術祭賞と舞踊批評家協会賞、2000年に芸術選奨文部大臣賞、03年には紫綬褒章を受けた。

 今年3月には、スペインから文民功労勲章・エンコミエンダ章が贈られた。

 小島さんとフラメンコの出合いは武蔵野音楽大時代で、目指していたバリトン歌手から舞踊家に転身した。本場の踊りを身につけるためスペインに留学。国立舞踊団の一員になり、10年にわたって現地で修業を積んだ。

 1976年に帰国後、小島章司フラメンコ舞踊団を設立し、東京を拠点に舞踊活動を行ってきた。

 一昨年の舞踊家生活50周年を記念した公演では、内戦下のスペインで民主主義を叫びながら銃殺された詩人のロルカら、小島さんが敬愛する4人にささげた「戦下の詩人たち~愛と死のはざまで」を熱演し、大きな拍手を浴びた。

 今年6月には、空海の生誕に合わせ、和歌山県の高野山真言宗総本山・金剛峯寺で奉納フラメンコを上演し、話題を集めた。

 文化功労者に選ばれたのは、こうした精力的な活動が評価されてのことだ。

 常に観客を魅了する小島さんの舞台を支えているのが、地道なけいこである。

 古希を迎えた今もジムに通い、体力維持に努めているという。たゆまぬ向上心が、見る人の心を大きく揺さぶるのだろう。

 日本フラメンコ協会理事長として後進の育成にも力を注いでいる。

 出身地の牟岐町でフラメンコ・サークルを育成し、今年9月からは徳島市内でフラメンコ塾を開講、月1回レッスンしている。多くの舞踊家が育ってほしいものだ。

 小島さんは「健康である限り舞台に立ち、踊っていきたい」と話す。どんな舞台を見せてくれるか楽しみである。

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