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社説
10月31日付  日航再建  国民の理解が前提だ  
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 経営不振に陥った日本航空の再建が、官民共同出資の企業再生支援機構に委ねられることになった。

 年内にも財務と事業の両面で再建計画を練り直し、事実上、政府の管理下で再生に向けて一歩踏み出す。

 再建には、11月中の1800億円規模のつなぎ融資の実行と、年度末までの7千億円規模の有利子負債の圧縮、大幅な資本増強などが不可欠とされる。

 再建作業は時間との戦いになる。しっかりと取り組んでもらいたい。

 最大の課題である資本問題は、公的資金投入など政府の全面支援による資本増強や債務軽減などで、強い助力を得ることができる。

 日航は日本の空を飛んでいる便数の6割を占めている。経営破たんすれば、地方路線の維持や経済活動などに大きな影響が出る。公的資金による再建もやむを得ないだろう。

 ただ、巨額の公的支援となるだけに、安易な救済にならないよう、国民に十分説明し、理解を得ながら実行する必要がある。

 再建にあたっては、政府出資の特殊法人時代から引きずる「親方日の丸」体質、ぬるま湯経営にメスを入れ、大幅なリストラなども進めなければならない。歴代経営陣の責任追及も欠かせない。

 政府はきのう、日航再建問題を協議する関係省庁による対策本部を設置した。日航の当面の資金繰りを支援するため、政府保証付きのつなぎ融資の実施などを検討する。

 前原誠司国土交通相は「政府挙げて再建に力を尽くす」との姿勢を強調した。

 政府は日航に対する信用不安の払しょくに努めながら、再建・支援を厳しく監視してもらいたい。

 日航の再起に向けた関門は、依然として多く残っている。

 最も難航しそうなのが、公的資金投入の必要条件として挙げられている約8千億円に上る企業年金債務の削減だろう。

 この年金を圧縮しない限り再建は軌道に乗らない。公的資金の一部が年金支給の原資に回るのでは、国民の理解はとうてい得られない。

 政府は特別立法による強制引き下げなどを検討する考えだが、「財産権の侵害に当たる」との見方も強く、削減のハードルは高い。

 退職者や労働組合も、経営破たん回避の観点から企業年金削減で妥協点を探ってほしい。

 省庁間の利害を調整し、国民の納得を得る再建策をまとめられるのかどうか、鳩山政権の政治力も問われよう。

 もう一つの難題は、金融機関が債権放棄などの踏み込んだ支援に消極的なことだ。

 日航再建計画の明確化や負担の公平性確保に配慮しながら、交渉を進めていきたい。

 さらに、政府の関与強化で日航が検討している国内外約45の不採算路線の廃止がしにくくなり、再建の足を引っ張る恐れもある。政治の介入で赤字路線が存続し、再建に失敗すれば税金で穴埋めすることになる。

 これまでの政治的利害が絡んだ航空行政も、抜本的に問い直していかなければならない。

徳島新聞社