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11月1日付 郵政新体制発足 不便な地域をなくしたい
社長に就任した元大蔵事務次官の斎藤次郎氏は、郵政事業の公益性を重視する考えを強調し、全国に張り巡らされた郵便局のネットワークを地域の拠点として活用する方針を明らかにした。 こうした斎藤氏の姿勢は、民営化で4つの会社に分割された組織体制を再編することを柱に、政府が20日に閣議決定した郵政民営化見直しの基本方針に基づくものだ。 見直しが進めば、郵便配達員が郵便貯金や簡易保険の業務にかかわれなくなるなど、民営化後に生じたさまざまな不便が解消され、地域の郵便局の利便性が高まるだろう。 政府が掲げた郵便、貯金、保険の3事業の「一体的運営」は、都市と地方の格差是正の観点から歓迎すべきことである。早急に見直し作業を進めてもらいたい。 日本郵政は今後、全国に約2万4千ある郵便局網を行政サービスや介護事業の拠点としても活用し、山間部や過疎地で暮らす高齢者らの生活需要にこたえるという。まさに経済効率に主眼を置いた民営化路線からの大転換である。 加入者自身が小まめに保険料の納付記録を確認できるよう、郵便局で年金通帳に記録を印字する仕組みも検討するようだ。 ただ、全国一律で郵貯や簡保などのサービスを展開すれば、日本郵政グループ全体の収益悪化につながる恐れもある。そのツケが国民に跳ね返ることがないよう、経営の効率化も同時に進めてほしい。 当面は郵便事業や郵便局からの安定収入が見込めない以上、資金の約8割が国債で運用されている現状を改善し、新たな収益源を開拓する必要がある。 これについて日本郵政は、地方銀行や信用金庫、信用組合などと連携して中小企業向け融資などに進出する方針を示した。 だが、地銀などが融資を見送った不振企業への貸し出しを増やせば、多額の債権が回収不能になるかもしれない。民間融資のノウハウをしっかりと身に付けた上で資金の運用を図らなければならない。 そもそも郵政民営化は、郵貯などで集めた巨額の資金を国が管理・運用する「官」の肥大化や赤字体質からの脱却が狙いだった。政府は郵政を国債増発の受け皿にしてはならないだろう。 今後の課題は、4つの会社に分割された組織体制をどう再編するかである。日本郵政は今年中にも新たなグループ形態を決める方針だ。事業の公益性と経営の効率化を、どちらも満足させる新たな経営モデルを示せるかどうかが問われる。 重責を担う新経営陣だが、斎藤氏に加え、4人の副社長のうち2人に官僚OBが就任した。これは「脱官僚」や「天下り禁止」を掲げる鳩山政権の方針と矛盾する。 政府は「能力重視で適切な人材を選んだ」と言うだけではなく、筋の通った説明が必要だ。
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