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社説
11月2日付  農業で産官学連携  「成長産業」を目指せ  
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 徳島県が徳島大学などと連携し、地域の農業振興を目的に産官学で新たな取り組みをスタートさせる。

 一つは「植物工場」を活用した農産物の安定生産とブランドづくり、もう一つが徳大工学部への農学系コース設置による人材育成と研究開発である。

 未来につながる成長産業としての農業へ再構築する取り組みは、関係者を勇気づける。停滞感が漂う本県農業の現状を打開するものだ。

 それぞれの特色、得意分野を生かして課題をクリアし、新しい地域農業の生産・経営モデルを示してもらいたい。

 地域の農産物の新たな魅力づくりや、地域おこしの呼び水になるように期待する。

 植物工場は季節や天候に左右されずに安全、安心、高品質の農産物を計画的に生産、安定供給できるのが特長だ。市街地など農業に適さない場所でも生産が可能で、収益性も高まる。

 県は植物工場の普及に向け、生産農家や企業、徳大、県農林水産総合技術センターの関係者ら20人で検討会を設置、10日に初会合を開く。

 LED(発光ダイオード)、太陽光発電を活用した生産システムの開発や環境配慮型の低コスト工場の運営方法、養液生産技術の向上などを検討するほか、販路の開拓などについても話し合う。

 県内の菌床シイタケの生産量は全国一で、カリフラワー、レンコン、ニンジンなどもトップクラスにある。トマトやイチゴでは養液栽培に取り組んでいる農家も多い。

 健康食品ブームのもと、食に安全・安心を求める消費者の目は一段と厳しくなっている。

 しっかりと知恵を出し合い、より付加価値の高い農産物の生産でブランド化を図り、厳しい産地間競争に打ち勝っていきたい。

 県産農産物の消費が拡大すれば、新たなビジネスチャンスにもつながろう。

 徳大工学部への農業系コースの設置は、大学の有する最先端の科学技術と県の農業研究者を結びつけ、農業の教育、技術開発、起業などに生かすのが狙いだ。

 来年4月から生物工学科3年次の教育課程に「農工連携スタディーズ」を設ける。

 定員は20人程度で、<1>野菜・花きの科学<2>果樹・林産物の科学<3>植物遺伝育種学<4>食品工学の4科目を新設。県の研究者らも講師に加わり、最新の生産知識や栽培・管理技術、食品加工、流通などを教える。

 大学、県の人的、知的資源や施設をフル活用し、本県の地域特性を生かした生産システムの研究・開発などに努め、次代の農業をリードしてもらいたい。

 中四国の大学で農学部系の学部、学科がないのは本県だけだ。多くの優秀な人材の県内への定着にも役立ててほしい。

 斬新なアイデアや研究成果がどんどん発せられるようになれば、県農業全体の底上げになる。

 こうした取り組みが、地域農業の魅力を再発見する機会になることも期待したい。

徳島新聞社