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11月3日付 文化の日 豊かな心をはぐくもう
そこで欠かせないのが、生活に潤いを与えてくれる文化だろう。 文化といっても堅苦しく考える必要はない。文学や美術ばかりでなく、それぞれの地域に根付く祭りや伝統行事、食も文化である。 きょうは「文化の日」。県内各地でさまざまな催しが開かれる。気軽に足を運んで、思い思いに文化に触れる一日にしたいものだ。 県立近代美術館では、京都と東京の国立近代美術館所蔵の名画を紹介する特別展「明治・大正・昭和 100年の名画」が開かれている。 展示されているのは、岸田劉生(りゅうせい)ら日本を代表する72人の洋画・日本画計76点。教科書などでなじみのある著名画家の作品を実際に見られる絶好の機会であり、家族連れで訪れても楽しめそうだ。 地方では、優れた美術作品を鑑賞する機会は多くない。子どもたちの感性を高めるためにも、県にはこうした展覧会をもっと増やす努力をしてもらいたい。 徳島市の犬飼農村舞台では、恒例の阿波人形浄瑠璃芝居が行われる。 木々に囲まれた農村舞台での公演は格別だ。自然に溶け込んでいるせいか、時間の流れもゆったりと感じられる。ぜひ訪れて、慌ただしい日常とは違った気分に浸ってみてはどうだろう。 人形浄瑠璃は徳島が誇る伝統芸能である。今年は、その魅力を県民に広く知ってもらうととともに、全国に発信する催しが企画された。 「ジョールリ100公演」と銘打って、1カ月間、県内各地で集中的に人形浄瑠璃を披露する企画である。きょうの犬飼農村舞台が締めくくりとなる。 ジョールリ100公演は、「傾城阿波の鳴門」といった古典だけでなく、他の芸術分野とのコラボレーションを取り入れたのが特色だ。例えば、歌手のUAさんの歌にのせて能役者と人形が舞う即興劇「あしたのために」などが演じられた。 伝統を踏まえながらも積極的に新たなものに挑戦し、人形浄瑠璃の可能性を探っていく。そうすることによって魅力をさらに高め、ファン層を若者へと広げる狙いなのだろう。今後が楽しみである。 新しい風を吹き込んだといえば、牟岐町出身のフラメンコ舞踊家、小島章司さんが本年度の文化功労者に選ばれた。 日本的な感性を生かした創作作品を次々と発表し、舞踊界に独自の領域を開拓したことなどが評価された。小島さんは「古里が感性をはぐくんでくれた」と語っている。 本県には豊かな自然と、感性をはぐくむ多彩な文化がある。人形浄瑠璃や阿波踊り、藍染、お遍路などだ。農村には農村の、漁村には漁村の歴史と伝統に根差した文化もある。 それらを引き継ぎ、磨きを掛けていくことが、魅力のある独自の地域づくりにつながっていく。行政も、そうした取り組みをしっかりと支援してほしい。
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