![]() 11月4日付 核廃絶国連決議 実現へ弾みをつけたい
賛成170、反対2、棄権8で、採択は16年連続だが、初めて共同提案国に加わった米国が9年ぶりに賛成票を投じ、賛成国は過去最多となった。12月の本会議で採択され、総会決議になる。 「核なき世界」を目指すオバマ米大統領の構想を追い風に、9月の安保理会合で採択された「核兵器なき世界」決議の理念を国連全体で共有した形だ。 安全保障理事会のように拘束力はないが、核軍縮機運の一層の高まりを歓迎したい。 来年5月にニューヨークの国連本部で開かれる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成功に向け、核軍縮・不拡散の動きにさらに弾みをつけたい。 一方で、採決結果からは、核廃絶の実現が容易でないことも浮き彫りになった。 核保有五大国の一つ、中国が「(決議の内容が)現実的でない」として今回も棄権。昨年は賛成したフランスも、米国とロシア以外の核保有国による核軍縮の取り組みが反映されていないとして棄権に回った。 さらに、インドと北朝鮮は今年も反対した。イスラエルやパキスタン、イランも棄権し、事実上の核保有国や核開発疑惑のある国で賛成した国はなかった。核保有国を五大国に限定した現在のNPT体制への根強い不満があることがうかがえ、核軍縮の厳しい現実を示した。 NPT再検討会議を成功させるには、今後、いかにこれらの国を核軍縮・不拡散体制強化の取り組みに巻き込むかが大きな課題となる。 決議案の採択について、日本の須田明夫軍縮会議政府代表部大使は「NPT再検討会議の成功への追い風になることを願う」と評価した。 日本は引き続き先頭に立って核軍縮に努力していきたい。 NPT再検討会議は5年ごとに開かれており、前回2005年会議は非核保有国が核保有国に一層の核軍縮努力を求め、双方が対立して決裂した。 来年の会議は核軍縮機運の高まりを受けて成功が期待されるが、鍵を握るのはあくまでも今後の核軍縮への努力だろう。 気になるのは、ミサイル防衛(MD)見直しをめぐって再び米国とロシアの間に不協和音が聞こえ始めたことだ。 米ロの核軍縮交渉の行方次第ではすべてが振り出しに戻る可能性もある。こうした事態は何としても避けなければならない。 核拡散問題も懸念材料だ。オバマ政権は来年4月にワシントンで「核安全保障サミット」を開く予定にしている。しかし、北朝鮮やイランの核問題の解決に向けた外交交渉は依然停滞したままだ。各国が協力して早急に打開策を模索したい。 主要各国は核廃絶目標で一致しているが、実現への手順も具体性を欠いている。 被爆国の日本が調整役となって、核保有国に核廃絶への道筋を示す工程表づくりと、そのための作業グループ設置を呼び掛けていきたい。
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