|
11月5日付 「太陽光」買い取り 普及への大きな一歩に
1キロワット時当たりの買い取り価格は、家庭用が48円、学校などの非家庭用が24円である。 温暖化対策と国内産業の活性化を同時に果たすことができる太陽光発電の普及には、高い価格での買い取りを電力会社に義務付けるこうした制度の導入が欠かせない。 太陽光発電はこれまで、高額な設置費用がネックとなって普及が進まなかった。新制度は買い取り価格が2倍になったことで、設置にかかる費用の回収期間は大幅に短縮される。普及への大きな一歩になるよう期待したい。 太陽光発電システムの設置に取り組む家庭は、今年1月に国の導入補助制度が復活したことと、地方自治体が独自で実施している上乗せ助成制度が起爆剤となり、急速に増えつつあるようだ。 徳島県内でも三好、松茂、北島、石井、美波の5市町が上乗せ助成を実施している。 家庭からの申し込みが相次いだ北島町では、補助対象を本年度当初の10戸から70戸に増やした。石井町でも、総額1000万円の助成枠が受付初日に埋まったという。 背景には、低炭素社会の実現に向けた県民意識の高まりもあるのだろう。県内の他の市町村にも、導入世帯の増加につながる積極的な支援を求めたい。 太陽電池を中心とした太陽光発電システムは、世界経済を引っ張る成長産業である。最先端の技術を持つ国内メーカーは、これまで以上に高性能で低価格の製品開発を急ぎ、普及を後押ししてほしい。 政府は、太陽光だけでなく、風力や地熱、小規模水力などの再生可能エネルギーによる電力も含めて、その全量を電力会社に購入させる新たな買い取り制度の検討も始めた。来年3月をめどに制度の中身をまとめる方針だ。 温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減すると鳩山首相が国際公約していることを考えれば、制度の大幅な拡充は当然の措置だろう。余剰分だけでなく全量を買い取るとなれば、自然エネルギーの導入に向けた動きも加速するに違いない。 ただ、電力会社の買い取り費用はすべて電気料金に上乗せされ、太陽光発電設備のない家庭も含めた全世帯が、コストを負担する仕組みになっている。 買い取る電力の範囲や量が増えれば、国民負担はさらに重くなる恐れがある。太陽光発電の導入量で世界一を誇るドイツでは、国民負担を減らすため買い取り価格の引き下げを迫られた。 日本政府には、温暖化対策の推進とそれに伴うコスト負担とのバランスを慎重に見極めながらの制度設計が求められる。 太陽光発電の普及を促す支援策が充実するにつれて、悪質な訪問販売も増えている。国や自治体は、消費者の被害防止にも全力を挙げてもらいたい。
|
|

























