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11月6日付 徳大創立60周年 地域活性化の原動力に
学芸学部(教育学部の前身)、医学部、工学部の3学部でスタートした徳島大は、51年に薬学部、76年に歯学部を設置。86年の教育学部の改組で総合科学部が誕生し、現在の5学部体制となった。 創立以来の卒業生は約4万5千人に上り、豊かな創造性や専門性を持つ人材がさまざまな分野で活躍している。 徳島大は本県の「知の拠点」として教育、研究はもとより、地域の医療や産業の発展に貢献してきた。60周年の節目を機にこれまでの歩みを検証するとともに、将来を見据え、一層の飛躍を目指してもらいたい。 しかし、大学を取り巻く環境は厳しくなっている。 少子化に伴って大学間競争が激化してきた。2004年に、国立大学法人への改組で大学独自の教育や研究活動が可能になった半面、運営面では企業的な経営感覚が求められるようになった。このため、企業との共同研究や受託研究などで活路を開く必要に迫られている。 こうした時代の波をいかに乗り越えていくか。本県の今後の発展にもかかわるだけに、徳島大に知恵と工夫を求めたい。 重要なのは、「地域に密着した大学」を一層進め、アピールしていくことだろう。 県内は中小企業が多く、新製品開発のアイデアがあっても自社のノウハウだけでは対応が難しい。一方、大学には蓄積された知識や技術がある。これを生かせば、新製品の開発が可能になり、新たな産業の創出につながるかもしれない。 企業にとって徳島大の「知」は貴重な戦力であり、大学にとっても研究成果を地域の活性化に生かすことができる。 徳島大は、こうした産官学の連携に熱心に取り組んできたが、より推し進めてほしい。 企業側も「大学は敷居が高い」と思わず、積極的にアプローチしてはどうだろう。県などの行政は、そのマッチングに全力を挙げる必要がある。 地域に密着することで他の大学にない特色も生まれている。本県の糖尿病死亡率が高いことを踏まえた、産官学連携による「糖尿病研究開発治療拠点集積構想」もその一つだ。 徳島大学病院の糖尿病対策センターが取り組んでいる県民1000人以上の疫学調査に基づき、治療法や治療薬、検査・診断装置などを研究する構想である。 研究のすべてが実用化を前提に進められるのが特徴で、県内外の企業が共同研究や製品化に名乗りを上げている。さらに、治療を受けながら観光も楽しんでもらう滞在型医療観光ツアーも検討するという。 徳島大ならではのユニークな取り組みであり、5年間で15億円の国の支援も受けられる。大きな成果を期待したい。 地域密着とともに、世界に発信する研究も欠かせない。グローバル化が進む中、徳島はどうあるべきか。「知の拠点」として、徳島の将来像を描く役割も担ってもらいたい。
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