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11月10日付 日メコン首脳会議 関係強め 息の長い支援を
ベトナム、カンボジア、タイ、ラオス、ミャンマーのメコン川流域5カ国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも後発組である。しかし、豊富な労働力があるなど将来性は高く、大きな経済成長が見込まれている。日本との関係も深く、対日感情も良好だ。 先日、共同通信加盟社論説研究会の一員として訪れたベトナムのハノイやホーチミン、カンボジアのプノンペンでは、街中にあふれるバイクの喧騒(けんそう)やたくさんの人が行き交う市場の活気に、発展途上にある国の力強いエネルギーを感じた。 一方で、崩れそうな古い建物が続く市街地に高級車が走り、建設中の高層ビルが所々に立つ光景は、貧富の差が大きいことも示していた。 ASEANは2015年に統合し、関税が撤廃される。メコン川流域諸国が発展し、人々の暮らしが安定することは「東アジア共同体」の設立だけでなく、アジアの平和と安全にとって極めて重要である。 日本は首脳会議を機に、いっそう援助を拡大させるとともに、政治、経済、文化などさまざまな面で関係を強化していきたい。 この地域では近年、中国が地続きである地の利と華人による人的ネットワークを生かして、影響力を着々と強めている。カンボジアではプノンペンに近代的な首相府省庁舎を建てたほか、来年にはメコン川に2本の橋を完成させる。軍事政権下のミャンマーに対しても、天然資源を狙って援助と投資を増やしている。 中国の動きに危機感を抱いた米国も、東南アジアを重視する姿勢を打ち出している。7月にはミャンマーを除く流域4カ国の外相との間で、「米・メコン川下流域外相会議」を毎年開くことを決めた。 今回の日メコン首脳会議の開催には、米中に後れを取る日本が、流域諸国にあらためて存在の大きさを示したいとの意図があるとみられる。 採択された東京宣言では、日本が3年間で5カ国に5千億円以上の政府開発援助(ODA)を提供することや、約3万人の青少年を日本に受け入れることなどが盛り込まれた。 流域諸国が抱える課題の一つは、道路や鉄道、電力、通信などのインフラ整備である。特に、カンボジアでは電力不足が外国企業の進出の妨げになっている。こうした面で日本は大いに役立ちたい。 青少年の受け入れも重要だ。いっそうの成長を目指すには、高度な知識や技術を身に付けた優秀な人材の育成が欠かせないからだ。 日本は、来年に総選挙の実施を予定しているミャンマーの民主化を求めていくことも忘れてはならない。米国と連携しながら強力に進めてもらいたい。 日メコン首脳会議は今後、毎年開く予定だ。日本はアジアで唯一の先進国として、長期的な視点に立った息の長い支援を続けていきたい。
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