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11月11日付 事業仕分け始動 「地域主権」を忘れるな
刷新会議に与えられた任務は、過去最高の95兆円超に膨れ上がった概算要求の大幅な圧縮である。 それぞれの事業を担当する関係府省からの抵抗を跳ね返し、目標とした3兆円以上の歳出削減を果たすことができるかどうか。鳩山政権が掲げる「脱官僚・政治主導」の真価が問われる正念場となる。 仕分け作業に当たるワーキンググループは、国や地方自治体が行う事業が本当に必要なものかどうか、徹底的に検証してもらいたい。 見直し対象には、道路や橋などのインフラ整備が中心となっている政府開発援助(ODA)など、さまざまな事業が選ばれた。ワーキンググループは、これら447事業を約210~220項目に整理し、事業の要不要を判定していく。 気になるのは、その対象に地方交付税や医療費の国庫負担といった住民生活に直結する事業が含まれたことだ。 地方交付税は、すべての地方自治体が一定の行政サービスを住民に提供できるよう、所得税や法人税など国税5税の約3割を自治体に配分するものである。過疎地などに多く充てられ、使い道が自由な一般財源として多くの自治体の基幹財源になっている。それだけに「疲弊した地方の実情を無視するものだ」と、自治体関係者からは反発や疑問の声が上がっている。 小泉構造改革で痛めつけられた地方を一層窮地に追い込むような仕分け作業では、国民の理解は到底得られないだろう。 仙谷由人行政刷新担当相は、地方交付税に関しては制度の在り方をめぐる議論にとどめ、予算削減には踏み込まない考えを示した。仕分け作業の際は、地域の自立につながる視点を忘れないでほしい。 「事業仕分け」の最大の眼目は、目先の歳出削減や財源確保にあるのではなく、時代に合わなくなった組織や制度を見直し、国と地方の新たな役割分担を築き上げることにある。「地域主権」の実現を掲げる鳩山政権は、そうした観点から「戦後行政の大掃除」に取り組む必要があろう。 仕分け対象に在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の一部を入れたのは、「対等な日米関係」を目指す鳩山政権としては当然だろう。基地で働く日本人従業員の給与水準は適正かどうか。しっかりと精査する必要がある。 仕分け作業の様子が一般に公開され、インターネットでも同時中継されるのは歓迎だ。 国の予算編成過程がオープンになるのは、これが初めてである。公開の場で仕分け作業が行われれば、税金の使い道に対する国民の関心が一層高まるに違いない。 ワーキンググループは前例踏襲、省益優先で行われてきた官僚主導の予算編成をしっかりと見直し、国民生活重視の予算への転換を促してもらいたい。
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