|
11月17日付 たばこ増税 健康増進の観点が大切だ
鳩山由紀夫首相の見直し指示を受けて政府税制調査会が検討しているもので、たばこによる「健康負荷」を踏まえた課税への転換を模索するという。要するに、健康を守るための増税である。 景気低迷で税収が落ち込む中、財源確保の狙いもあるようだが、首相は「税収という発想ではなく、健康のためにいかにあるべきかという判断をすべきだ」としている。 増税となれば、喫煙者の反発が予想される。値上げで消費が減少すれば、葉タバコ農家や関連産業にも影響が及ぶ。しかし、ここは首相の言うように健康増進の観点から増税論議を深めるべきだろう。 たばこは肺がんや心臓病、呼吸器疾患などさまざまな病気の原因になっている。喫煙者は非喫煙者に比べて、肺がんで死亡する危険性が2倍から4倍高いとの疫学的な推計もある。たばこを吸う本人だけでなく、周囲にいる人の受動喫煙による健康被害も問題になっている。 こうしたことから公共施設やタクシー、職場などでの禁煙も広がり、国民の喫煙率は低下傾向にある。 厚生労働省によると、08年の男性の喫煙率は36・8%と5年間で10ポイントも低下し、このうちの3割近くが禁煙したいと考えているという。 増税でたばこが値上げされれば、禁煙する人が増えたり、やめられなくても本数を減らしたりする人がさらに増えるのではないか。 喫煙率が低下しているといっても諸外国に比べると高い。その一因になっているのが、日本のたばこ価格の安さとされている。 先進国が平均で1箱600円なのに対し、日本は300円。代表的な銘柄の1箱当たりの税額をみれば、米国と英国が約510円、フランスが約400円で、日本は約170円となっている。 このため厚労省では1本当たり10円程度の大幅増税とし、1箱500円にする税制改正要望案を固めていた。金額を入れての要望は見送られたものの、副大臣からは、価格をまず1箱600円にした上で毎年100円ずつ800円まで引き上げる、との腹案も出されている。 たばこは、これまでも歳入不足のたびに課税強化され、穴埋め財源として重宝されてきた経緯がある。1998年以降の3回の増税では需要も減少した。 直近は2006年の1箱20円の増税だったが、これが200円の大幅増税となると“たばこ離れ”で逆に税収減になるとの見方もある。 ただ、今回は健康目的の増税とされている。たとえ税収増に結びつかなくても、たばこを原因とする病気が少なくなれば、その分の医療費が減ると考えたい。 健康意識の高まりを受け、たばこの販売量は自然減が続いている。そんな中での大幅増税はインパクトが大きい。 増税に向けては、全国に約1万2千戸あるとされる葉タバコ農家の転作の検討が必要だ。たばこ販売店や喫煙者の理解を求めることも忘れてはならない。
|
|

























