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社説
11月20日付  徳島の空の足低迷  利用促進へ知恵を絞ろう  
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 徳島の“空の足”の利用が低迷している。航空各社が公表した2009年度上半期(4~9月)の輸送実績で、徳島空港を発着する航空便の搭乗率は、日航の東京線など全路線で「採算ライン」とされる6割を下回っていることが分かった。

 景気悪化でビジネス客らの利用が減少している上、新型インフルエンザの影響も大きかったのではないか。今年3月から始まった高速道路料金の大幅値下げも、利用減に追い打ちをかけたとみられる。

 このまま利用低迷が続けば、本県の産業や観光に及ぼす影響は計り知れない。地域経済を冷え込ませてしまわないよう、県は経済界などと連携し、搭乗率の向上に全力を挙げなければならない。

 徳島空港を発着する路線は、東京線のほか、福岡線と名古屋線、夏季限定の札幌線がある。

 09年度上半期の搭乗率は東京線が55・9%で、前年度の60・8%を5ポイント近く下回っている。過去10年で最低だった05年度の55・7%と同水準だ。福岡線も56・7%と、前年度の64・7%を8ポイント下回った。札幌線も58・3%だった。

 とりわけ厳しいのは全日空が徳島空港と中部国際空港を結ぶ名古屋線で、採算ラインを大きく下回る34・4%にまで落ち込んでいる。

 経営再建中の日航の09年9月中間連結決算は最終損益が1312億円の赤字となり、02年の旧日本エアシステムとの経営統合後で最悪になった。全日空も営業損益が498億円の黒字から282億円の赤字に転落した。

 航空業界を取り巻く環境は予断を許さない状況にある。採算の取れない路線は、どうしても減便や縮小の対象にならざるを得ない。

 名古屋線は今年4月から1日1往復に縮小されたばかりだ。路線の維持拡大に向けて、利用者増を図る必要があろう。

 主力の東京線では、複数の航空会社が乗り入れるダブルトラック化をぜひとも復活させたい。便数が増えることで空港の利便性が高まるのに加え、会社間の競争で運賃が割安になるメリットも見込めるからだ。高松空港や神戸空港に流れた利用客を取り戻したい。

 県議会は6月定例会で東京線の運賃値下げやダブルトラック化などを国に求める意見書を可決し、先ごろ全日空に羽田空港の4本目の滑走路オープンに合わせて東京線に再参入するよう要望した。今後も県とともに粘り強く働き掛けてほしい。

 徳島空港は来年春に「徳島阿波おどり空港」としてリニューアルオープンする。滑走路の2500メートル化に伴うもので、離着陸の安全性が向上し、大型機の就航も可能になる。

 01年に着工したこの空港拡張事業は、県政の最重要課題として進められてきた。利用客がこのまま伸び悩めば、海面埋め立てによる滑走路の延長が必要だったのかどうか、疑問視する声も出てくるだろう。

 徳島の新しい空の玄関口に閑古鳥が鳴くことのないよう、県は空港の発展に向けた戦略を早急に立てるべきだ。県民もできるだけ“空の足”の利用を心掛ける必要がある。

徳島新聞社