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社説
6月18日付  角界野球賭博  協会は強い危機感を持て  
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 角界の不祥事はどこまで広がるのか。今度は野球賭博である。大関琴光喜関らが手を染めていた。

 横綱の品格が問われた朝青龍問題をはじめ、力士暴行死事件や大麻汚染など角界では不祥事が後を絶たない。先月には、親方2人が手配した特別席の入場券が暴力団に渡っていたことが問題になったばかりだ。

 それに続く今回の賭博汚染は、まさに異常事態である。ウミを徹底的に出し切って生まれ変わるしかないだろう。角界挙げて自浄能力を発揮してもらいたい。

 日本相撲協会が全協会員を対象に行った過去5年以内の賭博行為の実態調査で、琴光喜関ら29人が野球賭博に関与していたことを自己申告した。この中には琴光喜関以外の現役力士のほか、数人の親方や力士の髪を結う床山らも含まれている。

 野球賭博のほか、親方を含む36人が花札やマージャン、賭けゴルフなどの賭博行為をしていた。

 計65人もの協会員が賭博への関与を認めた事実を、協会はもっと深刻に受け止めなければならない。

 協会は、琴光喜関を含めて全員を厳重注意処分としたが、警察の今後の捜査によって処分が上乗せされる可能性があるという。当然だろう。警察も公正な捜査を急いでほしい。

 琴光喜関については、協会の事情聴取に対し関与を否定していただけに厳重処分もやむを得まい。

 驚いたのは指導すべき立場の親方が野球賭博をしていたことだ。しかも、現役時代から賭博に手を染めていた。親方になってから周囲の力士らを誘っていた者もいるとされる。賭博がまん延していたわけである。

 その背景に見えるのが、賭け事に甘い角界全体の体質だ。

 力士には、賭け事好きが多い。数年前に相撲協会が禁止にするまで、巡業の支度部屋では何人もの力士が花札などに熱中し、周囲も見過ごしてきた。

 そうした昔からの慣習が罪の意識を薄めさせ、暴力団との関係を生む一因にもなってきた。さらに、賭博問題をめぐる協会の対応を鈍らせる原因にもなっているようだ。

 事実、野球賭博の実態調査で協会は当初、自己申告した者は厳重注意処分にとどめるとしていた。こうした身内に甘い対応でウミが出し切れるのか、疑問だ。

 文部科学省は、実態調査で関与を認めた琴光喜関以外の関係者の名前も公表するよう求めた。詳細な調査をしなければ、7月の名古屋場所開催について理解を得られないとも指摘した。

 相撲協会は、文科省の指導を受け、外部の有識者による賭博問題調査チームを設けた。徹底した調査を求めたい。

 ある若手の親方は「万が一にも逮捕者が出るようなら、今年の残り3場所の開催を自粛するほどの覚悟で取り組むべきだ」という。それくらい毅然(きぜん)とした姿勢で臨まないと、角界の体質は改善できないだろう。

 きのうは、大嶽親方(元関脇貴闘力)が野球賭博に関与していたことを認めた。

 もう、その場しのぎでは済まなくなった。相撲協会には、このままでは国民から見放されてしまうとの強い危機意識を持ってほしい。


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