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社説
8月28日付  司法修習生   国の支援は欠かせない  
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 司法修習生に国が給与を支給する「給費制」が廃止され、11月からは生活資金を無利子で貸し付ける「貸与制」が新たに導入される。

 この制度変更に対して、日本弁護士連合会は「経済的に余裕のない人は法曹を目指せなくなる」などと反対、給費制の維持を求めている。徳島弁護士会も集会を開くなどして、市民に給費制維持を訴えている。

 法律家の卵の修習生には修習専念義務が課され、兼職が禁止されている。いわば給費制は、アルバイトができない修習生の生活費を保障し、修習に専念してもらうのが目的だ。

 そうした義務付けのある修習生の生活は、基本的に国が面倒を見るべきだろう。

 貸与制は借金制度であり、当然、返済義務がある。国は、給費制の継続を含めて修習生の支援策を検討してほしい。

 司法試験を合格した修習生は1年間、裁判所や検察庁、弁護士事務所で実務を学ばなければならず、修習生には準公務員として月20万円程度の給与と手当が支給されている。この給費制が貸与制に移行すれば、希望者に基本月額23万円の生活費を貸し付けることになる。

 変更の背景には、国の財政難だけでなく、「司法修習は個人が資格を得るためのものだから受益者負担は当然だ」との考え方がある。

 しかし、個人資格とはいえ法律家は司法を担う公共的存在である。その人材の確保は国民にとって非常に大切なことだ。

 国民の負担で法律家を養成することは、わたしたちの権利の守り手を育てることになる。それが給費制だともいえる。

 弁護士も、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする公益の代表であり、国が責任を持って育成する必要がある。

 経済的な事情から法律家になることを断念するような事態は避けなければならない。そうしなければ「多様な人材を法曹に」という司法制度改革の理念から外れてしまう。

 貸与制は、修習生の負担を増加させる恐れもある。

 日弁連が昨年実施した修習生アンケートでは、法科大学院在学中に半数以上が奨学金や教育ローンを利用しており、平均額は319万円、最高額は1200万円だった。

 奨学金などで既に借金を抱えている修習生は多く、貸与制になれば、さらに借金を重ねることになる。

 一般的に、弁護士になれば借金返済は容易だとのイメージがあるが、実態は違うようだ。日弁連によると年内に修習を終える修習生で、弁護士を希望しながら事務所などの就職先が決まっていない人が、修習生全体の4分の1に当たる560人もいるという。

 「修習生は就職難もあり、世間が思っているよりも経済的に厳しい状況にある」。徳島弁護士会が開いた市民集会で、400万円を超す奨学金を返済している若手弁護士が自身の体験を踏まえながらこう語った。

 弁護士が、借金の返済からスタートを切るような姿は正常ではない。

 国民のための法律家をしっかりと育てていくには、どのような支援をすべきか。国は総合的に考えなければならない。

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