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社説
7月12日付  特定秘密国会審査  監視機能を果たせるか  
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 政府が特定秘密保護法を適正に運用しているかどうかをチェックする衆参両院の「情報監視審査会」が、審査を開始した。昨年12月の法施行後、初めてとなる。

 何が秘密になったのか分からず、国民の「知る権利」や「報道の自由」が制限される恐れが拭えない、危険で問題の多い法律である。

 国民に本来知らせるべき情報や、知られたくない情報を恣意的に特定秘密にしていないか。

 唯一の外部監視機関である審査会は、疑問点をただし、指定の妥当性を徹底的に検証しなければならない。

 チェックするのは、政府が閣議決定し、国会に提出した報告書である。

 法が施行された昨年12月10日から同月末までの運用状況をまとめたもので、防衛省など10機関の382件を特定秘密に指定したとし、機関ごとの件数や、「暗号」「武器関連」といった類型別の件数を開示した。それらが記録された文書は約19万件に上る。

 だが、個々の内容は示さず「領域保全の措置や方針に関する情報」「外国政府との情報協力業務に関する情報」など、抽象的な表現にとどまっている。

 政府は「丁寧で分かりやすい説明を継続し、国民の理解の増進に努めたい」と強調したが、透明性に欠け、極めて不十分だ。これではどんな情報が、なぜ秘密に指定されたのか全く分からない。施行前に危惧された通りになったといえよう。

 報告書は「秘密を取り扱う部署名や管理者名を報告に加えるなど、運用状況を具体的に示すべきだ」などとした、有識者による情報保全諮問会議の意見も列挙した。当然の指摘だろう。

 そこで厳しく問われるのが、情報監視審査会が役割を果たせるのかどうかだ。

 審査会は必要に応じて具体的な特定秘密の提供を求め、秘密指定が不適切と判断すれば指定解除を勧告できる。

 しかし、いずれも法的強制力がない。政府が「安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがある」と判断すれば情報提供を拒否でき、勧告に従う義務もない。

 政府が国会より優位に立っているのは明らかであり、実効性のある検証ができるのか大いに疑問だ。

 審査会のメンバーは衆参それぞれ8人で、ともに与党が多数を占めている。会派の議席数に応じて配分するのはやむを得ないとしても、監視の姿勢が甘くなるとの懸念は消えない。

 審査会が設けられたのは、他のチェック機関が「内閣保全監視委員会」など、政府内の組織ばかりで、世論の批判を受けたからである。

 政府はこれで監視機能が高まるとアピールしたが、とてもそうは思えない。

 成果を上げられず、政府の追認機関となるようなら、あらためて特定秘密保護法の廃止を求めたい。

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