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社説
4月20日付  熊本地震1週間  震災関連死を防ぎたい  
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 熊本地震の発生から、あすで1週間となる。

 被災地では余震が絶えず、避難者の健康が悪化するなど、さまざまな問題が浮かび上がっている。

 気象庁は、熊本、大分両県で活発な地震活動が続き、「いつまた大きな地震があるか分からない」としており、長期化する恐れがある。

 政府や自治体、関係機関は、引き続き行方不明者の捜索に全力を挙げるとともに、被災した人たちへの支援に一層力を注いでもらいたい。

 一時、約20万人に達した両県の避難者は、その後も10万人規模に上っている。死者・行方不明者は50人を超えた。

 懸念されるのは、震災関連死が増えることだ。17日には、熊本県阿蘇市の避難所にいた77歳の女性が急性心不全で亡くなった。初の関連死とみられている。

 避難所では不自由な生活を強いられている。硬い床に毛布を敷いただけでは、ゆっくりと体を休めることもできない。余震が頻発する中では、なおさらだろう。

 特に高齢者や幼児、障害・持病がある人にとっては、過酷に違いない。東日本大震災では、たくさんの高齢者らが環境の悪い避難所で体調を崩し、亡くなっている。

 医療や心のケアはもちろん、食事やトイレの用意、適度な運動など、災害弱者一人一人への目配りを欠かさず、悲劇を繰り返さないようにしなければならない。

 避難所では生活物資の不足が深刻化している。物資は熊本県庁や市町村に届いているが、仕分けが追い付かず、輸送が滞っているためだ。

 そこで政府は民間業者と連携し、近隣県の拠点で仕分けして直接輸送する運用を始めた。取り組みが奏功するよう期待したい。

 関連死では、エコノミークラス症候群の発症も心配だ。車中で寝泊まりする人が増え続けている中で、熊本市の51歳の女性が死亡した。病院に運ばれた人も多く、十分な注意が求められる。

 政府は避難所の代わりとして、熊本県内の民間賃貸住宅の借り上げやホテル・旅館での無料宿泊、公営住宅やフェリーの活用などを検討している。数は限られるが、早急に実施してほしい。

 被災者の受け入れに自治体も動きだした。徳島県が新制度の創設を打ち出したのをはじめ、兵庫県も検討している。余震の不安がない地域への遠隔避難は、とりわけ災害弱者には重要となる。こうした措置をさらに広げたい。

 今回、あらためて思い知らされたのは、住宅倒壊の恐ろしさだ。

 近い将来に高い確率で発生するとみられている南海トラフ巨大地震では、徳島県も全域が震度6強から7の激しい揺れに見舞われると予想されている。

 熊本地震は決して人ごとではない。住宅の耐震化など、必要な備えを着実に進めなければならない。

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