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社説
1月15日付  テロ等犯罪準備罪  人権侵害の恐れが拭えぬ  
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 政府は「共謀罪」の新設が柱の組織犯罪処罰法改正案を、20日召集の通常国会に提出する。

 重大犯罪の謀議に加わるだけで罪に問われる「共謀罪」は、捜査機関の職権乱用や拡大解釈による人権侵害の懸念が強く、国会では3度も廃案になった。

 政府は、罪名を「テロ等組織犯罪準備罪」に変更するほか、対象を「組織的犯罪集団」に限定し、共謀だけでなく、現場の下見など「準備行為」も要件に加える案で調整している。

 だが、それで人権侵害の恐れは払拭できるのだろうか。問題が多い法案には反対する。

 政府は2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、テロ対策を急ぐ構えだ。組織的テロの防止を目的とする国際組織犯罪防止条約の締結に向けて、処罰法改正案の成立を図る。

 条約の規定は懲役・禁錮4年以上の犯罪を対象としており、該当する犯罪は殺人や詐欺など676に上る。

 テロ対策は重要だが、対象犯罪の範囲の広さには与党・公明党にも疑問の声があるようだ。

 日本の刑法では、犯罪の実行を罰するのが原則で、予備罪があるのは殺人など一部に限られる。「共謀罪」の新設に、市民運動家や団体が不安の声を上げるのは当然である。

 昨秋の臨時国会で、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法がわずかな審議時間で可決され、批判を浴びたばかりだ。

 政府、与党は数の力にものを言わせて、強引に処罰法改正案を成立させてはならない。

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