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社説
2月8日付  辺野古海上工事  対立は解消できないのか  
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 沖縄の民意を置き去りにしたままでは、国民の理解は得られまい。政府の対応に強い疑念を抱く。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先とする名護市辺野古の沿岸部で、政府が海上工事を本格化させた。

 きのうは埋め立てに向けて、大型コンクリート製ブロックを海底に設置する作業を始めた。汚れの拡散を防ぐ膜を海中に張る際の重りにするものだ。

 政府は、5月にも埋め立て前の最終工程となる護岸造成を始めたい考えだ。

 1996年に日米両政府が返還合意した普天間移設問題は新たな段階に入ったといえよう。

 政府のやり方に対し、沖縄県は反発を強めている。両者の対立は激化しており、基地問題の解決はさらに遠のいたのは間違いない。

 今回の海上工事は、3日に来日したマティス米国防長官との間で辺野古移設の推進を確認したことが、追い風になったのだろう。

 10日に日米首脳会談を控えて、移設計画の着実な進展をアピールしたいとの思惑も透けて見える。

 しかし、これでは沖縄との分断が深まるだけである。翁長雄志(おながたけし)知事は「あらゆる知事の権限」を使って阻止する構えを崩していない。

 昨年末にいったん終結した法廷闘争に再び発展する可能性もはらむ。泥沼化を望む人がどこにいるだろうか。

 県側の担当者は、ブロック設置に関して、重量や個数、位置が当初計画から変更されていると指摘した。防衛省沖縄防衛局に対し、文書で「協議せずに変更することはあり得ず、決して容認できない」と対応を批判した。その上で設置作業に入らないよう要求し、13日までに文書で回答するよう求めている。

 県側は、防衛局の説明の内容次第では法的措置も検討するとしている。護岸や埋め立ての工事に絡む岩礁破砕許可のほか、県外土砂や石材の搬入規制条例に基づく措置、前知事が出した埋め立て承認の撤回など、対抗手段の検討を進めるという。

 3月末で期限となる岩礁破砕許可の更新を認めないとする翁長知事に対し、政府は、許可要件の漁業権を地元漁協が放棄したことを理由に再申請せず、工事を進める構えである。

 昨年末には、普天間所属の新型輸送機オスプレイが不時着事故を起こしたのに、米軍が飛行を再開した。県民の怒りが高まったばかりだ。

 沖縄では、衆参両院の選挙で辺野古移設に反対した候補が全勝するなど、民意は明らかである。

 大事なのは、過重な基地負担に苦しんでいる沖縄の思いに寄り添う姿勢だ。政府に求められるのは、このまま埋め立てへ突き進むことではないはずである。

 政府はトランプ政権と共に、事態を変える努力を続けなければならない。

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