徳島新聞Web

8月20日(日曜日)
2 2
20日(日)
21日(月)
社説
2月15日付  東京一極集中  是正も創生も動きが鈍い  
このエントリーをはてなブックマークに追加

 東京一極集中の是正とともに、地方創生を前へ進めていかなければならない。

 総務省が公表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告で、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の転入超過が11万7868人に上ることが分かった。

 前年より1489人少なく、5年ぶりの減少となったが、21年連続の転入超過は異常である。

 長らく是正が求められながら、思うように進まない現状を改めて見せつけた形だ。

 東京圏への転入・転出を20年に均衡させるという政府目標の達成は、極めて難しいだろう。

 20年には、東京五輪・パラリンピックが開催される。東京圏に人口が集まる流れは、むしろ加速する可能性があるとの声も上がっている。

 地方創生は安倍政権が14年に掲げた看板政策である。

 縦割り行政を排し、省庁横断的に人口減少対策や地域活性化に取り組むものだ。これまでに、似た取り組みが何度も試みられては頓挫してきただけに、もう次はないという覚悟で臨んだはずである。

 それから約2年半が経過したが、見るべき成果は乏しいと言わざるを得ない。

 最たるものが、石破茂・前地方創生担当相が「国が模範を示す」として打ち出した中央省庁の地方移転だ。

 掛け声は大きかったが、各省庁の抵抗は激しく、文化庁の京都移転以外には広がりがみられないままだ。

 徳島県が求めている消費者庁の移転を巡っては、判断を先送りした。7月に稼働する予定の政策立案拠点の業務を検証しながら、3年後をめどに判断する方向性を示すにとどまっている。

 県人口は75万人を割り、18年連続で減少している。県はサテライトオフィスなどでの働き方改革を通じて、転入者増を図る方針も改めて示しているが、人口減少の克服と東京一極集中の是正は全国共通の課題である。

 これにどう向き合うのか。地方大学の振興や、地方での雇用創出の具体策などを検討する政府有識者会議の初会合が先日開かれた。

 焦点となる東京での大学・学部の新増設抑制については賛否が割れたという。

 進学をきっかけとする地方からの若者流出は悩ましい問題である。議論を深めてもらいたい。

 日本世論調査会が昨年末に行った全国面接世論調査では、東京一極集中について「是正すべきだ」「ある程度是正すべきだ」と答えた人が計75%に達した。

 その理由は「企業などの地方分散により経済活性化につながる」が最多で、「地方の人口減少に歯止めがかかる」が続いた。

 地方創生は影が薄れた感も否めない。

 だからこそ、本県をはじめ、地方から、新たな働き方や価値観をしっかりと示していくことが重要である。

メニュー
 徳島ヴォルティス        高校野球
 社説        鳴潮           号外       地震
 ニュースリリース           不審者
 人事       訃報