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社説
2月24日付  豊中の国有地売却  あまりに不透明な取引だ  
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 疑問は膨らむばかりだ。政府は説明を尽くさなければならない。

 大阪府豊中市の国有地が、学校法人「森友学園」(大阪市)に評価額の14%の値段で売却された問題である。国有地は国民の貴重な財産だ。取引は適正だったのか。

 売却されたのは、国土交通省大阪航空局が保有していた8770平方メートルの土地だ。昨年、森友学園が今春開校予定の小学校用地として、随意契約で1億3400万円で購入した。

 財務省近畿財務局の依頼を受けた不動産鑑定士による更地の評価額は、9億5600万円だった。ところが、学園側が深い土中にごみや廃材などが見つかったと申告し、航空局が撤去費用などを8億2200万円と見積もった。安くなったのは、それを差し引いたためだという。

 森友学園は、購入前の2015年に財務局と定期借地契約を結び、校舎の建設を始めた。そこで浅い土中に土壌汚染やごみがあることが分かり、土壌入れ替えなどの対価として、国から1億3100万円を支払われている。

 ふに落ちないのは、土地の評価額だ。豊中市は隣接する同規模の国有地を10年に14億2300万円で購入した。なぜ4億円以上も違うのか。

 ごみの撤去費用8億円余の積算根拠も、極めて不透明である。財務省は、ごみの深さを工事関係者から聴き取りで確認したとし、本当にごみがあったかどうかは確認していないことを認めた。

 民進党議員らが現地視察した際も、財務、国交両省は、学園側の申告通りに深い土中からごみが出たことを裏付ける説明ができなかった。

 地中深くにごみはあったのか。撤去に8億円余が必要だったのか。実際にどれだけの費用がかかったのか。いずれも昨年のことであり、調べれば分かるはずだ。

 財務局は当初、豊中市議の情報公開請求に対し、売却額を開示しなかった。学園側から要請されたというが、非開示は許されない。随意契約なのも不可解だ。公にしたくない事情があったのだろうか。

 森友学園を巡っては、運営する幼稚園が「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記した文書を保護者らに配り、憎悪表現の恐れがあるとして、大阪府が理事長らから事情を聴いていたことが分かっている。園は、戦前の「教育勅語」を暗唱させるなどの教育で知られる。

 理事長は憲法改正を主張する「日本会議」のメンバーであり、開校予定の小学校の名誉校長は安倍晋三首相の夫人昭恵さんだ。「安倍晋三記念小学校」の名で建設費用の寄付を募っていたこともある。

 安倍首相は一切の関与を否定し、関係していれば「首相も国会議員も辞める」と断言した。

 民進党は理事長の参考人招致を求めている。与党は難色を示したが、国会での真相解明を急ぐべきである。

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