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社説
2月27日付  天皇退位各党聴取  丁寧に合意形成を図れ  
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 天皇陛下の退位を巡る法整備は、各党派が合意を形成できるのだろうか。

 衆参両院の正副議長による意見聴取で、「陛下一代限り」の特別法制定を目指す自民、公明両党と、皇室典範改正による恒久制度化を求める民進党の意見の隔たりが、改めて鮮明になった。

 努力を重ね、妥結点を見いだしてもらいたい。天皇退位という重大な課題に、党利党略を絡めることがあってはならない。

 意見聴取に対して、自民党は、一代限りの特別法が望ましいとした。退位について将来の全ての天皇を対象とする場合は、要件の設定が必要だが、詳しく書くことが困難だとの見解である。

 一方、典範改正を求める民進党は、特別法による退位は憲法違反の疑いを生じさせるという指摘もあるとの立場を表明した。天皇が亡くなったときしか皇位継承の記載がない典範に、並列して「退位」の言葉と、実現するための要件を盛り込むのが基本だと主張している。

 自民、公明両党は民進党に配慮し、特別法に関して、皇室典範の付則に根拠規定を置く方向で調整に入っている。恒久化を訴える民進党の歩み寄りを促せるという判断からだろう。

 しかし、皇位継承は典範で定めるとした憲法2条を根拠に、典範の抜本改正を求める民進党は、付則案には否定的な立場である。

 他の会派では、日本維新の会と日本のこころが特別法を支持し、共産、自由、社民各党と、参院会派の無所属クラブ、沖縄の風が典範の抜本改正を求めている。

 どんな着地点に導くのか、大島理森衆院議長らの手腕が問われよう。

 安倍晋三首相は法案化を急いでいるようだ。立法作業がずれ込んだ場合には、衆院解散の時期や憲法改正論議に影響が出るとの懸念があるのだろう。

 民進党も「政局化は考えていない」としながらも、与党ペースの決着には抵抗感があるとみられる。

 正副議長は、3月中旬ごろに国会の見解をまとめる方針だ。この見解を踏まえて政府の有識者会議が最終提言を策定する。政府は、法案を4月末以降に国会に提出する意向である。

 だが、「初めに特別法ありき」という政府・与党の思惑が透けて見える状況で、正副議長は、見解の取りまとめを急ぐべきではない。

 正副議長は意見聴取を踏まえ、3月初めにも各党派が一堂に会する全体会合を開き、意見調整を図ることで一致した。国民の前で論点を掘り下げ、よりよい法整備の在り方を探ってほしい。

 今後、皇位の安定的継承に向けて、「女性宮家」の創設を含めたさまざまな案を、比較検討しなければならない。

 そのためにも、退位問題で丁寧、かつ建設的な意見集約が求められる。

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