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社説
2月28日付  PKO日報問題  隠蔽行為ではないのか  
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 組織的な隠蔽があったのではないか。疑問は募るばかりである。

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報を巡る問題だ。

 日報が、部隊の状況を把握し、今後の在り方を検討していく上で重要な資料になることは言うまでもない。一体、防衛省の保存や管理体制はどうなっているのか。

 発端は、フリージャーナリストからの情報公開請求を、防衛省が昨年12月2日に「廃棄済み」を理由として不開示決定したことだった。その後、稲田朋美防衛相の指示で再探索し、年末に日報が見つかったとしている。

 看過できないのは、日報が全て統合幕僚監部内の複数の部署で保管されていたということである。

 2012年1月の1次隊から5年以上、電子データで蓄積され、保管を知る職員が多くいたとみられる。

 そうであるなら、なぜ、どこからもデータの存在を指摘する声が上がらなかったのか首をかしげざるを得ない。

 このままでは到底、国民の納得は得られまい。政府は、事実関係を明らかにしなければならない。

 防衛省は「請求を受けた段階で陸自に日報がなかったのは事実。捜索は不十分だったが、隠す意図はなかった」と説明するが、そのまま受け取れる話ではない。

 自衛隊の内部には、当初から「廃棄」という説明を疑問視する声もあった。

 しかも、請求があったのは次の派遣部隊に「駆け付け警護」などの新任務を付与するかどうかの議論が続いていた時期に重なる。

 昨年7月には、首都ジュバで政府軍と反政府勢力がぶつかり、既に停戦合意などPKO参加5原則が崩れているという指摘もあった。

 日報は、「戦闘」という表現を多用していた。それだけに、世に出したくない文書だったのではないか、と疑われるのも仕方あるまい。

 先日開かれた有識者でつくる政府の公文書管理委員会でも、防衛省の公文書管理の在り方に批判の声が上がった。厳しく反省すべきだ。

 政治が軍事に優越するというシビリアンコントロール(文民統制)の徹底についても疑問である。文書が見つかった後、稲田氏に報告があったのは約1カ月後の1月末だった。

 稲田氏も「事実関係は事務方がすぐに報告を上げるべきだった」と認めざるを得なかった。

 シビリアンコントロールを揺るがすものであり、稲田氏の統率力も問われよう。

 南スーダンでは、今月に入って軍高官や閣僚の辞任が相次いでいる。民族対立が激化し、混迷が深まるようなことになれば、陸自の活動にも影響が出る恐れがある。

 現地の様子をしっかりと把握し、分析するとともに、政府は一時撤退も含めて議論しなければならない。

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