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社説
3月3日付  民泊新法案  地方の裁量権を広げよ  
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 個人の住宅やマンションの空き部屋を有料で観光客らに貸し出す「民泊」の全面解禁に向け、政府は、参入要件の緩和や営業する際の基本ルールを定めた新法案を、近く国会に提出する。

 2020年の東京五輪・パラリンピックを見据え、都市部を中心に急増する外国人旅行者の宿泊先を確保するのが狙いだ。

 少子高齢化と人口減が進む地方でも、観光振興による地域経済の活性化や、空き家など遊休資産の活用が見込める民泊事業への注目度は高い。

 阿南市新野町の住民が、民泊施設を災害時に避難所として活用する「シームレス(つなぎ目のない)民泊」の開業を目指すなど、本県でも民泊普及に向けた動きは活発化しつつある。

 以前から宿泊施設の不足が課題になっている徳島市の阿波踊り期間や四国霊場札所周辺などで、「民泊事業の有効性は高い」との指摘もある。そうした意味で、早期の法整備を求める関係者は少なくないだろう。

 とはいえ、深夜の騒音や無秩序なごみ出しなど、ルールを守らない民泊利用者の迷惑行為で、近隣住民とのトラブルも絶えない。新法案が、そうした課題を解消に導くことができるかどうか、国会はしっかりとチェックしなければならない。

 民泊事業への新規参入を促すため、新法案では、これまでの許可制から届け出制に変更するほか、住宅専用地域での営業も認める。

 ただ、住宅地での営業には生活環境や治安の悪化といった心配がつきまとう。

 このため政府は、民泊の年間営業日数を180日以内に制限した上で、都道府県などが条例でさらに短縮できるようにする方針だ。自治体が地域の実情に応じた仕組みで柔軟に運用できるよう、地方の裁量権を一層拡大する方向で検討すべきである。

 法案は、家主らに対し騒音防止対策や宿泊者の名簿作成などを義務付ける。法令に違反した場合の罰則についても大幅に強化する。

 もとより、そうした規制に実効性を持たせるには、行政側の指導・監督体制が整っていなければならない。国や自治体は、住民からの通報窓口を設置するほか、それぞれの地域の警察や保健所など関係機関と連携し、悪質業者を厳しく取り締まることが重要である。

 民泊を新たなビジネスチャンスと捉える事業者側も、生活習慣が異なる外国人に宿泊時のルールやマナーを周知するなど、自主的な取り組みを強化する必要がある。

 徳島県には、独自の規制緩和策やトラブル防止策を打ち出すなど、民泊事業の全国モデルの構築を求めたい。その上で、一人でも多くの外国人旅行者らに本県を訪れてもらえるよう、観光地としての魅力づくりに磨きを掛けるとともに、苦手としている情報発信力も高めてほしい。

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