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社説
3月4日付  森友学園  口利きの疑いが強まった  
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 「賃借料を『まけて』もらえるようお願いしたい」「上から政治力で早く結論が得られるようお願いしたい」

 鴻池祥肇元防災担当相の事務所が、学校法人「森友学園」の理事長や国とのやりとりを記した面談記録には、こんな生々しい発言が書かれていた。

 小学校開設を目指す森友学園が、大阪府豊中市の国有地を評価額より大幅に安く取得した背景に、政治家の口利きがあったのではないか。疑惑はますます深まった。

 鴻池氏側は国への不当な働き掛けを否定しているが、不透明な点は少なくない。他の政治家の介入がなかったのかも含め、自民党は徹底的に調査し、事実を解明すべきだ。

 面談記録によると、理事長とのやりとりは2013年8月から16年3月まで16回に上った。浮かび上がったのは、陳情した内容がほぼその通り実現していたことである。

 例えば、理事長は15年1月、財務省近畿財務局から提示された国有地の年約4千万円の賃借料が「高すぎる」とし、「何とか働き掛けてほしい」と求めている。当時、学園側は借地して小学校を建てようとしていた。

 その3カ月後、財務局が再鑑定した結果、賃借料は2730万円と、希望通りの額になった。財務省の局長は「学園側の地盤調査の報告書に基づき、軟弱地盤と判明したため」と説明しているが、適切な鑑定だったのかどうか。

 理事長は、小学校の設置認可についても陳情していた。大阪府の私立学校審議会は14年12月、学園の財務状況への懸念から結論を見送ったが、15年1月に条件付きで「認可適当」とした。そこに政治介入はなかったのか。

 鴻池氏は、14年4月に陳情に訪れた理事長夫妻が現金入りとみられる紙包みを手渡そうとしたので、投げ返したと述べた。公正であるべき行政を政治の力でねじ曲げようとしたのだとすれば、教育者としてあるまじき行為だ。

 府の教育長が設置認可の先送りに言及したのは当然だろう。入・転学を予定する児童が困らないよう、速やかに結論を出してもらいたい。

 面談記録は16年3月で終わっているが、土中のごみの撤去費用を国が8億円余と見積もり、差し引いた土地の売却額が1億3400万円となったのは、その後のことだ。

 巨額の撤去費用など、国の対応には不可解な点が多すぎる。鴻池氏以外に、関わった政治家がいるのではという疑問が湧くのは自然だ。

 財務省は学園側との交渉記録を廃棄したというが、それを理由に隠蔽することは許されない。

 調査の先頭に立つべきなのは、安倍晋三首相だろう。先月まで昭恵夫人が新小学校の名誉校長となり、「安倍晋三記念小学校」名で建設費用の募金も行われていた。

 政治と行政の信用が厳しく問われているのを、首相は忘れないでほしい。

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