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社説
3月5日付  豊洲移転問題  石原氏は説明が足りない  
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 土壌汚染が分かっていながら、なぜ築地市場(東京都中央区)を豊洲(江東区)に移転させる決定をしたのか。

 納得できる説明は得られなかった。

 「専門家が、豊洲(の土地)を都が購入して市場を移す必要があると複合的に考えて決めたことについて、口を挟む余地はない」。当時、知事として豊洲移転を決めた石原慎太郎氏の記者会見での発言である。

 石原氏は「豊洲移転は既定路線だった。私一人というよりも、行政全体の責任だ」と述べた。都議会の同意も経ており、自分だけの責任ではないことを繰り返し強調した。

 豊洲市場の敷地は東京ガスの工場跡地で、土壌から高濃度の有害物質が検出されたため、都は約860億円をかけて対策工事を実施した。一方、東京ガスの負担は78億円である。

 都の用地購入の契約時、東京ガスに「今後、土壌対策費用を求めない」とする瑕疵(かし)担保責任の放棄を盛り込んだことについても、石原氏は「記憶はないし、相談も受けていない」と語った。

 巨額の税金が投入されたのに、責任逃れのような説明で都民が納得するはずがない。

 焦点は、東京都議会が設置した豊洲移転問題を検証する調査特別委員会(百条委員会)の証人喚問に移る。

 百条委は、豊洲のガス工場跡地を選んだ理由や、都との契約に難色を示していた東京ガスとの土地買収交渉の経過などを調査する。建物の下に盛り土がされなかった問題も調査対象になる。

 強い調査権を持っている百条委には、豊洲移転に関するさまざまな疑問点を徹底解明してもらいたい。

 20日には石原氏の証人喚問が行われる。その前段として19日に、土地買収交渉を担当した浜渦武生元副知事も喚問される。

 百条委での証言は、事実と異なれば「偽証」に問われる可能性がある。石原氏らは、真正面から説明責任を果たさなければならない。

 自民党は当初、百条委の設置に慎重だった。それが同意したのは、7月の都議選に向けたパフォーマンスだとの指摘もある。そんな見方を払拭(ふっしょく)するためにも、百条委は調査の成果を出す必要がある。

 豊洲市場の安全性を巡っては、新たな問題も浮上してきた。1月には、市場の地下水から、環境基準の最大79倍に上るベンゼンなどの有害物質が検出されたことが判明した。安全性を十分に検証し、対応策を取る必要がある。風評被害も心配される。

 さらに、老朽化した築地市場についても、仮設建物35棟が建築基準法上の許可が切れて違法状態であることが明らかになった。

 そんな状況で、豊洲市場への移転計画をいつまでも宙に浮かせておくわけにはいかないだろう。小池百合子知事は市場関係者と共に、解決策を見いだしてもらいたい。

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