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社説
3月6日付  嘉手納の騒音訴訟  深刻な被害放置するな  
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 司法の限界で済ませていいのだろうか。

 沖縄県の米軍嘉手納基地周辺で暮らす住民約2万2千人が、米軍機の夜間・早朝の飛行差し止めと、騒音による損害賠償を国に求めた第3次訴訟で、那覇地裁沖縄支部が国に賠償を命じた半面、飛行差し止めの訴えを棄却する判決を下した。

 判決は、日常生活の妨害や精神的苦痛など、被害を幅広く認めた。「戦争経験のある住民にとっては戦争時の記憶をよみがえらせ、より大きな不安を与える」などとも踏み込んだ。

 賠償額が約302億円と同種の訴訟で過去最高となり、1人当たりの基準慰謝料を大幅に引き上げたのも、被害を深刻に捉えたからだろう。

 判決はまた、日米両政府が抜本的な被害防止策を取っておらず「違法な被害が漫然と放置されている」と厳しく批判した。さらに、基地の公共性を認めた一方で、少数者に特別の犠牲を強いる不公平は正当化できないと断じた。両政府は重く受け止める必要がある。

 だが、それにもかかわらず、飛行差し止めを門前払いにしたのは納得できない。日米安保条約と地位協定で、日本は米国に口出しできないというのが理由だ。判例を踏襲したものだが、自ら限界をつくるのではなく、条約や協定の不備を指摘することが司法の役割ではないか。

 日米は夜間・早朝の飛行制限に合意しているが、米軍は守っていない。日本政府はこれを放置せず、米側に強く順守を働き掛けるべきである。

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