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社説
3月7日付  宅配の危機  便利さ求めるだけでは  
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 宅配業界最大手のヤマト運輸が、時間帯指定の一部取りやめなど、宅配サービスを抜本的に見直す方向で検討に入った。

 インターネット通販の普及で配達個数が急増し、人手不足と長時間労働でドライバーらの負担が限界に来ているためだ。

 宅配は多くの人にとって、生活に欠かせないインフラとなっている。労使が十分に協議し、持続可能な道を探ってほしい。

 国土交通省によると、宅配の配達個数は2015年度に37億4千万個と、00年度の1・5倍に達している。ヤマト運輸は過去最高の17億3千万個を占め、16年度はさらに増える見通しだ。このため、労組は今春闘で荷受量の抑制を求めている。

 同社が検討しているのは、時間帯指定や夜の配達時間の見直し、ネット通販会社への値上げ、再配達の有料化などだ。

 宅配便が急増した背景には、即日配達や時間帯指定、無料配達など業界のサービス競争がある。利用者は便利になったが、ドライバーらの過酷な労働がそれを支えている。

 ヤマト運輸が支給する方針を決めた未払い残業代は、総額数百億円になる可能性があるという。働く人に犠牲を強いる仕組みは改めなければならない。

 再配達の多さも労働環境の悪化に拍車を掛けている。指定した時間帯に家にいないなど、その数は業界全体で約2割に上るのが実態だ。

 私たち利用者も快適さを享受するだけではなく、危機的な状況をしっかりと受け止める必要がある。

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