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社説
3月17日付  稲田防衛相  これで重責を担えますか  
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 国会答弁の重さを忘れていると言わざるを得ない。慎重さを欠いた稲田朋美防衛相の言動である。

 学校法人「森友学園」理事長退任の意向を示している籠池泰典氏との関係を巡り、当初「事件を受任し顧問弁護士だったということはない。裁判を行ったこともない」と言い切っていた。

 ところが、出廷記録の存在が報道で明らかになった翌日に「私の記憶が間違っていた」と一転して訂正した。

 強い口調で籠池氏との関係を否定していただけに、単なる記憶違いで済まされるものではあるまい。

 記憶違いは誰にでもあることだが、国会で指摘された問題を、記憶に頼って答弁するのは国会軽視も甚だしい。

 調べればすぐに分かるはずだ。それを怠ったのはあまりに無責任である。隠しておきたい事実だったのではないかという疑念も湧く。「虚偽答弁をしたとの認識はない」と強調したが、そう疑われるのも仕方なかろう。

 稲田氏は誠実さを欠いている。さまざまな疑問について、説明責任を果たさなければならない。

 籠池氏の証言との食い違いも取りざたされている。

 籠池氏は動画サイトのインタビューで、稲田氏は顧問弁護士を務めた「旧知の仲」と断言し、1、2年前に「業界筋の会合」で直接話をしたとも証言している。

 これに対し稲田氏は「10年来全く会っていない。関係は絶っている」と述べた。一体どちらが正しいのか。

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報が、陸上自衛隊内に電子データとして残っていた事実も明らかになった。

 防衛省は情報公開請求に対し、昨年12月、「陸自は廃棄済み」として不開示を決定していたが、今年1月ごろまで保管されていたという。

 稲田氏は、陸自にはなかったとの説明を繰り返し、これまで実態解明にも消極的な姿勢だった。

 PKO日報に関しては、厳しい現地情勢を覆い隠すような答弁で、論議を呼んだのも記憶に新しい。

 さらに、昨年末に統合幕僚監部内で日報が見つかってから、稲田氏への報告が約1カ月も遅れ、シビリアンコントロール(文民統制)上の問題も表面化している。

 省内の情報を把握できず、新たな隠蔽(いんぺい)の疑いが浮上したことで、改めて稲田氏の統率力に疑問符がついた形だ。

 籠池氏との関係を巡る答弁で、稲田氏は、訂正とおわびを繰り返しながらも辞任は否定した。

 今回のPKO日報でも「徹底的に調査し、改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と述べたが、本当にそれができるのだろうか。

 稲田氏は、事態を重く受け止めなければならない。問われているのは、閣僚としての資質である。

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