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社説
3月19日付  籠池氏証人喚問  与党がやっと腰を上げた  
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 あまりに遅過ぎる対応だ。

 学校法人「森友学園」理事長退任の意向を示している籠池泰典氏を証人喚問することを、衆参両院の予算委員会が決定した。

 籠池氏については、野党が何度も参考人招致を求め、与党は拒み続けてきた。

 虚偽答弁が処罰される証人喚問という形で応じたのは、籠池氏が安倍晋三首相側から100万円の寄付を受けたと「爆弾発言」し、これ以上拒めば世論の反発を招くと、危機感を抱いたためだろう。

 この間、森友学園を巡る疑惑が次々と浮上したが、政府の国会答弁は納得できる内容ではなかった。騒ぎが収まるのを待つかのような与党の姿勢は、真相究明を求める国民の思いと懸け離れていたと言わざるを得ない。

 証人喚問でただすべき問題は多岐にわたる。与野党は限られた時間を有効に使い、疑問を解かなければならない。籠池氏も裏付けの資料を示すなどして、真実を包み隠さずに話してほしい。

 焦点の一つは、寄付発言の真偽である。

 籠池氏は、2015年9月に首相夫人の昭恵氏が講演で来た際、「安倍晋三からです」と言われて受け取ったと主張しているが、首相と昭恵氏はこれを否定している。

 首相は先月、衆院予算委で一連の問題について「私や妻、事務所が関わっていれば、首相も国会議員も辞める」と断言していた。

 籠池氏には、経歴詐称や補助金の不正受給などの疑いが掛けられている。発言の信ぴょう性には疑問もあるが、万一、寄付が事実だとすれば首相の進退に発展する可能性がある。決してうやむやにしてはいけない。

 発端となった国有地払い下げの経緯にも謎が多い。

 森友学園は小学校開設用地として、大阪府豊中市の国有地を評価額の14%という格安で購入した。土中にごみや廃材が見つかり、撤去費用分などとして国が8億円超も差し引いたためだ。

 ごみが大量に埋まっていたのかどうか、国は実地に確認していなかった。8億円超の算定根拠も薄弱だ。国と学園側との交渉記録は廃棄されている。

 不可解な経過から浮き彫りになってきたのは、学園側に対する国の厚遇ぶりである。背景に何があったのか。

 小学校の設置認可に関して、籠池氏が鴻池祥肇元防災担当相に陳情し、現金入りとみられる紙袋を手渡そうとしたことも発覚している。

 政治家による口利きなど、不当な圧力が働いたのではないかとの疑念が生じるのは自然だろう。

 ようやく実現する証人喚問だが、一方の当事者だけでは不十分だ。売却交渉時の財務省理財局長や近畿財務局長ら、話を聴くべき関係者は他にもいる。

 与党は本気で疑惑を解明する気があるのか。国民が厳しい目を向けている。

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