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社説
3月21日付  石原元知事喚問  決め手欠き疑問が残った  
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 予想された通り、中身の薄いやりとりに終わった。

 豊洲市場への移転問題を巡り、東京都議会の調査特別委員会(百条委員会)がきのう、移転を決めた当時の石原慎太郎元知事に行った証人喚問である。

 石原氏は、移転を「決裁した責任は認める」としたものの、部下に「一任していた」「覚えていない」との発言を繰り返した。3日に開いた記者会見の内容の域を出ず、疑問が残ったままだ。

 委員の質問に新たな材料がなかったことも、不発の原因だろう。今後、問題点をどこまで掘り下げることができるのか。都議会の力量も問われている。

 百条委が解明を目指すのは<1>東京ガスの工場跡地を移転先に選んだ理由と経緯<2>東ガスが土壌汚染対策費の追加負担をしないという「瑕疵担保責任の放棄」を決めた理由-などである。

 石原氏は、老朽化した築地市場の移転は自身が就任する以前からの懸案であり、前任の青島幸男知事からの引き継ぎに「豊洲地域に移転」とあったと説明。「都庁全体として豊洲の流れがあり、逆らいようがなかった」と述べた。

 瑕疵担保責任の放棄に関しては昨年初めて知ったと主張し、当時の市場長の証言と食い違った。

 放棄は、2011年3月の土地売買契約時に交わした協定書に明記されたもので、当初586億円だった土壌汚染対策費は860億円まで膨らんだが、東ガスの負担は78億円にとどまった。

 この経緯については元市場長が、都条例に基づく汚染対策を終えていた東ガスから、追加負担がないことを明確にしてほしいと求められ、「受け入れざるを得なかった」と前々日の証人喚問で答えている。その際、石原氏に「了解を頂いたと思う」と述べた。

 石原氏への喚問では、委員が「重要問題を覚えていないとは信じられない」などと追及したが、決め手に欠き、迫力不足は否めなかった。

 豊洲に決定したことや、汚染対策費の膨張の責任を声高に言い立てるばかりでは、夏の都議選に向けたアピールとみられても仕方あるまい。

 百条委の喚問が進む一方で深刻さを増してきたのは、豊洲市場の地下水問題である。都のモニタリング再調査で、環境基準を大幅に超える有害物質が検出されたからだ。

 多くの専門家は「市場の建物内は安全」としているが、市場の業者から「豊洲には移転できない」との不満の声が上がったのは当然だろう。

 小池百合子知事は「重く受け止める」としており、移転の可否を決める時期がさらに遅れる可能性が出てきた。

 だが、先送りして困るのは業者である。豊洲の施設の維持管理にも多額の費用が掛かっている。

 豊洲の汚染不安の払拭に取り組むのか、築地の再整備に切り替えるのか。小池知事は早急に決断すべきである。

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