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社説
3月31日付  JR四国発足30年  私たちの鉄道を残す道は  
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 国鉄の分割・民営化に伴いJR四国が1987年に発足してから、4月1日で30年を迎える。

 高徳線で新型列車を投入して時間を短縮する高速化事業を行うなど、4県でサービスと競争力の向上に力を注いできた。

 それでも、高速道路の延伸の影響は大きく、鉄道利用者は減少傾向にある。鉄道運輸収入は96年度の370億円がピークで、2015年度は233億円となった。

 交通インフラが乏しい四国では、鉄道は基幹的交通手段であり、通勤・通学やビジネスに欠かせない。お年寄りや学生にとってはかけがえのない生活の足である。

 経営環境が厳しいことは分かるが、今後も鉄道路線を維持してもらいたい。

 かねて、一部路線を将来的に廃線する可能性に言及していた半井真司社長(三好市出身)は、路線ごとの収支を初めて公表する考えを示した。自治体などの懇談会を立ち上げ、路線の維持に関して、議論する際の判断材料にする。

 半井氏は「廃線してもそれほど収支の改善は期待できない。廃線ありきではなく、路線をどう生かせるかを協議する」という意向だ。

 鉄道は定時性に優れ、大量輸送が可能な利点を持つ。災害などの際には道路の代替手段としても有効である。住民も路線の特性と現状について理解を深め、支援の在り方を含めて知恵を絞る時だ。

 もともと経営基盤が弱いJR四国は、民営化時に設けられた2082億円の経営安定基金の運用益で収入不足を補う枠組みになっているが、低金利下では運用益が想定を下回っている。

 安定した収益の確保を目指し、グループで多角的な事業を展開したのは当然だろう。

 1998年の明石海峡大橋開通の際には、四国と関西を結ぶ高速バス事業を推進した。JR四国バスの2015年度の高速バス乗車人数(共同運行会社分含む)は、前年度比1・6%増の288万人余りに上る。

 人口減少が進む四国では鉄道、バスとも、需要の開拓に限度がある。外国人観光客を含めて四国外からの来訪者を増やすことが不可欠だ。4県と一体となった誘客活動をさらに強めるべきだ。

 この30年、JR四国は徳島駅や高松駅を建て替え、ホテルやショッピングセンターを開業するなど、地域のにぎわいづくりにも貢献してきた。

 本県では、踏切の渋滞解消やまちづくりに役立つ徳島市周辺の鉄道高架事業の取り組みが課題となっている。

 過去には、香川県の高徳線沿線の大規模宅地開発で、多数が売れ残ったこともある。

 これらの経験を踏まえながら収益を確保し、安定した経営の下で人の移動を支え、地域に貢献してほしい。

 よりよい形で鉄道を次の世代に引き継げるよう、日ごろから積極的な利用を考えてはどうだろう。

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