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社説
6月7日付  とくしま記念オケ  文化事業の透明化を図れ  
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 徳島県が設けた「とくしま国民文化祭記念管弦楽団(とくしま記念オーケストラ)」の事業を手掛ける音楽プロダクション「アンサンブル・セシリア」(東京)と川岸美奈子代表取締役が、脱税容疑で東京国税局から東京地検に告発された。

 川岸氏はオーケストラに演奏家を派遣して得た手数料など約1億3千万円の所得を申告せず、約3千万円を脱税していたとされる。川岸氏が主に演奏家を手配していた先が記念オーケストラである。

 これを機に、県の文化行政の在り方が問われている。

 何より問題なのは、県が事業を委託した徳島市のイベント会社から川岸氏や演奏家に事業費がどう流れ、いくら支払われていたかが分からないことだ。

 県の主な文化事業は、県や県文化振興財団が担っている。記念オーケストラは、東京交響楽団の演奏家を中心に構成。その事業費は県費のほかに、国などの助成金と、県内の文化団体や有識者で組織する「文化立県とくしま推進会議」が積み立てた基金から、イベント会社に支出されている。

 基金から拠出される事業費の細かな使途や額は県議会の議案に盛り込まれておらず、十分なチェックを受けていないために、「ブラックボックス化している」(文化関係者)とされる。

 多額の事業費が使われているだけに、県はしっかりと調査しなければならない。

 県が記念オーケストラの事業の中身を十分に精査せずに予算付けしていたことも明らかになった。公金に対する意識が甘過ぎないか。

 記念オーケストラの事業費は、演奏会の回数が増えたことなどから急速に膨らんでいる。2016年度は、オーケストラが発足した11年度の約10倍の2億3千万円に上っている。

 その半面、県立図書館の資料費など他の文化事業費は大幅に減っている。これには批判も多い。

 川岸氏は飯泉嘉門知事と旧知の仲にあるという。知事の威光を背景に、県の事業に過度に口出ししていたのではないかとの指摘もある。

 知事は、埼玉県の財政課長時代(1995、96年度)に川岸氏と知り合ったとしている。川岸氏が東京交響楽団のプロモーター的な立場で、徳島県の音楽事業に関わり始めたのは、知事が県民環境部長を務めていた2002年ごろとみられる。

 知事は「(川岸氏とは)公演などで対面すればよろしくお願いしますとあいさつするぐらいだった」と言う。

 ただ、政策参与に登用するなど、その重用ぶりには首をかしげざるを得ない。

 記念オーケストラが、県民に優れた音楽文化を提供してきたのも事実だ。

 事業を続けるのなら、数々の問題に対して、県は納得のいく説明や改善策を示すべきである。

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