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社説
6月17日付  「加計」巡る再調査  ようやく結果は出たが  
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 これで国民は納得するだろうか。不信感がますます深まったといえる。

 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡って、文部科学省が再調査結果を公表した。国家戦略特区を担当する内閣府とのやりとりを記録したとされる19の文書のうち、14の文書が省内にあったとしている。

 文書の存在が指摘されてから約1カ月。文科省が「確認できない」としてきた文書はやはり存在した。

 前回調査のずさんさとともに、「怪文書」と切り捨てるなど再調査を否定してきた菅義偉官房長官の対応のまずさも改めて浮き彫りになった。

 国会会期末を控えて、十分な説明をしないまま、幕引きを図ろうとした姿勢は厳しく問われよう。

 政府は当初から、この問題と真摯(しんし)に向き合うつもりはなかったと言わざるを得ない。

 文書の発覚後、前川喜平前文科事務次官が「昨年9~10月に部下から受け取ったものと同じ文書」と証言し、現役職員も追認した。

 省内で文書を共有したとするメールの存在も明らかになったが、政府は再調査を否定し続けた。

 安倍晋三首相も「(加計学園の)理事長は昔からの友人だが、政策に影響を与えたというのは印象操作だ」と反論し、前川氏に対しては「(次官当時に)なぜ反対しなかったのか」と批判した。

 政府は、かたくなに文書の存在を認めようとせず、記載内容の真偽の解明に後ろ向きな態度を示してきたことを大いに反省すべきである。

 もとより、文書の存在が確認されただけで終わる問題ではない。肝心なのは、「総理の意向」などと記された内容の真偽であり、行政が不当にゆがめられた事実がなかったのかという点だ。

 今回、文科省の再調査で新たに発覚した内閣府から送られたメールには、萩生田光一官房副長官の指示で新設条件の文言が修正されたとする記述があった。

 だが、萩生田氏や内閣府はメールの内容を否定した。

 内閣府の調査結果では、「総理の意向」などと発言した職員はいないとしている。しかし、文科省職員が省内で共有する文書に書き残している以上、疑問が解消されたとは言い難い。

 両者の調査結果が、食い違ったままでは真相の解明はおろか、政治に対する国民の信頼が失われるばかりだ。政府は検証が不十分なことを認識すべきである。

 きのうの参院予算委員会の集中審議で、安倍首相は、野党が求めている前川氏の国会招致を巡っては「どう審議を進めるかは国会で決めること」として、事実上拒否したが、なぜ招致を受け入れないのか。

 国会は事実上閉幕したが、獣医学部新設計画を巡る問題の解明はこれからである。国民の厳しい目が注がれているのを忘れてはならない。

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