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社説
8月13日付  ようこそ徳島へ   自然や文化も見てほしい  
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 徳島市の阿波踊りも、きょうで2日目。県外から来た人には、まずは踊りを楽しんでもらいたい。

 ただ、徳島の魅力はそればかりではない。自然や文化、風土、人情などさまざまな徳島らしさを味わってほしい。

 本県の見どころは自然美である。風光明媚(めいび)な県南部の海岸線、四国最大の大河・吉野川の悠然とした流れ、秘境祖谷の絶景スポットなど、豊かな自然が目を引く。

 県都の中心市街地もお薦めだ。水と緑に彩られ、徳島駅に降り立てば、迫ってくるような近さに山がある。さだまさしさんの小説で知られる眉山である。駅のすぐ裏にも、徳島中央公園や城山が位置し、ビルの隙間から緑が視界に入ってくる。

 駅周辺の景観に注目しているのは、小松島市出身で米在住の建築家・藍谷鋼一郎さんだ。水都といわれる河川の多さも併せ、市中心部の景観美は他の県都と比べても特筆できるものだという。

 新町川と助任川に囲まれたひょうたん島を一周する「ひょうたん島クルーズ」で、踊りの舞台になっている街を眺めてみるのはどうか。

 大正から昭和初期にかけての晩年を、眉山の麓で過ごしたポルトガルの文人ヴェンセスラウ・デ・モラエスをご存じだろうか。著書「徳島の盆踊り」には、神戸から居を移したときの徳島の印象について、「緑、緑、緑一色」とつづっている。時代は変われどモラエスが見た緑の風景は残っている。

 モラエスゆかりの資料を紹介する徳島市中央公民館の展示場も一見の価値がある。

 この時季、徳島の食卓に欠かせない小さな緑もある。露地物の出荷が始まった特産のスダチだ。いろいろな料理に搾って、爽やかな酸味が楽しめる。

 徳島駅構内では、何枚もの藍染布が風に揺れている。2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムに藍色が採用されて以来、藍の一大産地である徳島をアピールする取り組みが盛んだ。

 藍栽培は、吉野川の洪水がもたらす肥沃(ひよく)な流域の土地で行われ、すくもと呼ばれる良質の藍染料が作られた。江戸時代には、全国の9割以上を徳島産が占めたといわれる。藍染といえば徳島といわれるゆえんだ。

 藍染体験ができる施設を訪ね、県民の暮らしが藍と共にあった歴史などを知ってもらいたい。

 私たち県民も、たくさんの県外客が訪れるこの時季に、古里の魅力を再認識したい。足元から地域の良さを見つめ直そうという動きも活発である。「徳島が好きになる本」(徳島経済研究所)や「大学的徳島ガイド」(四国大学)などが、相次いで出版されている。

 一人一人が魅力を発信できる知識を身に付け、お遍路さんをもてなすように、観光客をぜひ「お接待の心」で迎えたい。

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